元レンタル担当

TENET テネットの元レンタル担当のネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

【人生は一本の映画と同じだ。
ずっと再生▶️しているが…巻き戻し⏪は決して出来ない。】

子供の頃は
“何か”が起こると冒険の連続だった。
毎日が新鮮で時間が経過するのが遅かったように思う。
「20代は一瞬にして過ぎていく」とよく耳にする。歳を重ねるにつれ、段々と実感するようになった。
「それは何故?」
歳を重ねると…
“何か”が起こっても今までの経験値に基づいて判断できるようになったから。
それに伴い、普段の生活が同じ習慣の繰り返しとなり時間が経過するのが速くなったと思う…。
「時は皆、平等だ」と言うがそうとは思わない…。


クリストファー・ノーランがお送りする…
もし、第三次世界大戦が引き起こされるとするならば、それは核戦争ではなく【時間】だったら。

▪️不朽の名作映画との類似点
未来からの侵略に対抗し、世界の終焉を食い止める為に【逆行】して戦士を送り込む。
現在で暗躍する名もなき男は…一連の任務を遂行したことで近い将来、未来からの侵略を妨害する組織『TENET』を創設するリーダーとなる…。
どこかこのシナリオに見覚えはないだろうか?
そう…これはまさに
クリストファー・ノーラン版:『ターミネーター』
といえるだろう。
同じ【時間】というテーマから新たなアプローチを開拓したクリストファー・ノーランは時代を一つ未来(さき)へと進めた。

▪️因果関係から時系列まで逆転する
『メメント』の実験的テーマから19年の時を経て、本作は【逆行】というテーマを下に時の流れを意図的に操作する構成となっている。さらに、その発想は映像にまで用いれられ、逆再生を使った今までにない斬新な映像体験へと変貌を遂げる。
時系列がそれぞれ違う中でストーリーが同時並行で進むようになっているので前半は違和感を覚えるが、後半での逆行する時間と順行する時間が交わる点で伏線が回収されていくシーンはこれでもかと爽快感を感じたのと同時に鳥肌がたった。

   T E N E T
   ・ ・ ・ ・ ・
上から読んでも下から読んでもTENET。
そう、タイトルの通り…
ストーリーの終着は始まりを意味する。

『TENETテネット』もまた映画史に歴然と語り継がれていくことだろう。


俺が“主役”だ

※録画していたのを鑑賞(WOWOWシネマ)
元レンタル担当

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