ルーク大佐

TENET テネットのルーク大佐のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.8
公開当時映画館で2回、配信後は3回みた。久々に見直したが、作品の吸引力はやはり凄まじい。長尺映画にもかかわらず、いったん見始めるとそのまま最後まで突っ走れる。

映画館で初見時に思ったのは、なぜニール(ロバート・パティンソン)はあそこまで献身的にキャットを守ろうとするのか。重要な役柄であるキャットの息子の顔をあまり写さないし、母息子で和気あいあいと談笑するシーンすらない。不思議だ。

ニールと少年は互いに金髪。ロバート・パティンソンは他の映画やドラマでは金髪ではなく茶髪である。この映画の役柄のためにあえて金髪にしたのだと考えられる。

となれば、ニールとキャット、そして少年との関係もおおよそ想像がつく。そのキャラ設定の仕掛けに気づいたとき、大げさなたとえだが雷に打たれたような驚きを感じた。なんと長い時間をかけた親子の物語なのか。

特に欧米人の男はママっ子、マザコンが多い。黒人の大男ですらママの写真を肌身はださず身に付けている。
息子の母親に対する、なんという愛の深さよ。

あくまで私見なので真実はわからんが、そう考えさせる作りになっている点がすごい。脚本には細かい点でアラもあるが、記念碑的エンタメ映画であることは間違いない。続編はつくりにくい話だが、つくってほしい映画だ。
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