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TENET テネットのreifのネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ハァハァ、三日遅れが苦しかった。新作がぜんぜん来ないシンコロナ時代の希望、ノーラン! 立川に IMAX が新設されました(としまえんまで行かなくてよい)。新築の臭いが残る一席置きの贅沢な鑑賞、感無量や。難解なのは織り込み済みで驚かない、適当な理解でいいんだ、面白かったよー!!

観る前から思考停止の絶賛モードで、観賞後、爆音で耳がおかしくなり、小規模(二人)映画研究会でパンフレットを回し読みながら語り合ったことなど:

・逆行は酸素吸入マスクのみで OK!って大胆すぎる設定
・デビッキ様は棒人間、というか棒人形に表情豊かな美しい顔が付いている、人類とは認められない
・ニールはズルよね、人気爆発よねー
・予告で『ナイル殺人事件』入ったですけどみんなわかってるか、同じ人やで!のケネス・ブラナーはいつも楽しそうでよい。役柄を愛し楽しんでいる感じがする。圧倒的演技力から生じる余裕でありましょう
・デンゼル・ワシントンの息子(ごめん)は『ブラック・クランズマン』の人だそうで、「観てなくてすみません! すぐ観ます!」と襟を正す

ただし、「スパイが世界を救う話はもういい」という気持ちがあります(予告で 007 もまた救いそうだった)。世界を救いたいなら、巨大な陰謀に挑むのではなく、実体経済から離れて自己増殖している金融システムを停止させ、富を分配しろ。「システム」の守護者はヒーローではない。ノーランは映画として素晴らしく大ファンですけど、世界観が「普通、普通、わりと普通©︎相対性理論」でツッコミたくなる。美しすぎるヒロインを、美しいからと騎士道精神で守らなくてもいいじゃない。不幸な結婚は、もっと病んでますよ(思い出すのはカンバーバッチのドラマ『パトリック・メルローズ』のご両親)。

めずらしくパンフレット購入し熟読し、音楽関係の話がいちばん面白くて、大森望の解説がさすがやなと思いました。その隣の知らない人(すみません)の「妄想」にダメージを受ける。パンフレットにああいうこと書くとそれが「公式見解」になっちゃうじゃん。あーあ
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