はまたに

TENET テネットのはまたにのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.4
時を戻そう。悪くないだろう。そんなバカな! …って言ってる俺のほうがバカなのかもしれない。

クリストファー・ノーラン待望の最新作、それはぺこぱイズム溢れるN-1 GP(ノーランワン グランプリ)3位が妥当作。

一歩手前で起こった出来事に、いや待てそうとは言い切れないだろうの連続に頭が疲れる。もしかしたら、かまいたちイズム溢れる「もし俺が謝ってこられてきてたとしたら、絶対に認められてたと思うか?」作品かもしれない。それくらいむずかしい。

いやでも、かまいたちはそもそも日本語として成立していないことがボケなのであって、TENETはこっちの理解力が初見では到底おぼつかないだけなのでやっぱりぺこぱだろう(←もうそのこじつけにハマって抜け出せなくなった人)。

いずれにしても、1回観ただけでは全貌はわかりっこない。それでも「すごいものを観た」という重厚な満足感があるのはさすがノーラン。

ド迫力&トリッキーな映像と「理解を怠った瞬間振り落とされる!」という強迫観念が最初から最後まで緊張感を持続させてくれるし、反面わかりやすく人情に訴えかけるラストで安易な“いいもの観たなあ”感も担保してくれる。まあ、主人公の世界を救う理由が世界を救いたいから、でしかないっぽいのはちと陳腐かなと思っちゃったけど(俺がいなくなる世界に意味なんてないんだから終わらしてやる!、な悪役のほうがわかりやすいわな)。

とりあえず、作品の点数はこんな感じ。でも、前半の意味合いがまるっきりひっくり返る2回目の鑑賞を経るともっと評価は上がる気がする。『カメラを止めるな』もそんな感慨はあったけど、考察や発見が劇的に進むであろうTENETの方が第2波の衝撃は強いように思う。

よし、ぺこぱの例え置き去りや! ということで、時を戻そう。ふむ、なるほど。逆行させても優勝はミルクボーイか。悪くないだろう(←まともに感想書けない人)。
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