riesz77

TENET テネットのriesz77のネタバレレビュー・内容・結末

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

これを満点付ける人は今のところいない。
そして酷評を書く人もいない。つまり誰も理解しきれてなく、ノーランを信頼している証拠。そしてノーランが得意とする「時間」をテーマとした映画。割と序盤で理解が追いつかなくなっても、最後までハラハラさせてくる作品だった。

まず物理用語が意味不明。エントロピーとは。アルゴリズムなど横文字が出てくる度に「?」となり、置いてかれる。じゃあ理解しないとおもしろくないかと言われたらそんなことはまったくなく、むしろ理解できなかったからこそもう一回観たい。と追求心を掻き立てるストーリーだった。超難解なストーリーでも辻褄が合う気がする。ノーラン作品の完成度の高さを知っているからこそ、また見たくなる。中毒ムービー。

主人公よりもロバートパティンソンやキャット役の女優さんが光ってた。そしてセイターなしでは語れない。ケネスブラナーだとエンドクレジットまで気付かなかった自分の鈍感さを反省したい。逆にそれくらい役に憑依するプロの役者。素晴らしい。

高速でのカーチェイスシーンが、物語の一つの転機となっていて、そのあとのシーンを軸に物語が別の方向に動き出した。時間の順行と逆行。時間の進みを利用して挟み撃ちする。あとはガソリン爆発により低体温症になるという発想やばい。回転ドアにより逆行する発想も。開始30分くらいの場面で起きた、主人公とニールが防護服を着た男に襲われバトるシーンが、終盤に繋がるあの演出も良かった。対消滅っていう言葉の恐ろしさ。とにかくおもしろ要素がてんこ盛り。

さすがノーランと、息を呑む映画。
ただ難し過ぎたので、
余韻はあまり残らなかった。

もう一度見ても理解できないと思うが、
発見はありそう。
riesz77

riesz77