さす池

TENET テネットのさす池のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.5
ノーラン監督作だな〜!って感じの重低音響く音響にのっけからテンション爆上がりするものの、事前に軽くレビュー見る限り非常に難解な作品との事なので心して掛かった本作。

端的な感想から言えば、難しかったが面白かった。途中に少し種明かしが見えるところはあったがそれでもつまらなくなる、という事はなく…というか、終始ストーリーやギミックについていくのが精一杯ではあった。

さて他人にレビューしよう、この映画について語ろう、と思った時にはどうだろう。

『1回観ても全然分からないけど面白いよ!』などと言われて相手が納得するだろうか。そもそも複数回観ないと分からない映画は本来であれば自分は好まない。
この映画についてエントロピーの減少という単語を交えながら他人にうまく説明する自信も無い(笑)。
でも出てくるキャラクター達が皆陰を持ち、スタイリッシュで聡明で魅力的。エンディングのシーンには涙が出たし、男と男の新しい友情の形、こんなのもいいなって。本質の理解は難しいが観終わった後にこの映画の事が少しわかった今の状態で、そのうちではなくまさに今 最初からもう一度観れたら、また視点が変わり理解度が確実に上がるな、と強く思わせる1本だと思う。そう思える映画は少ない筈。そこに価値がある・・・と言って周囲に勧めたい。

個人的に不足に感じた点は、戦闘シーンが全然面白くなかった事。レッドとブルーに分かれた2隊がそれぞれの時間軸の違いを少なからず活かした戦闘を魅せてくれたら違ったんだろうけど、ただわけが分からんだけだった。マーベルだったらこういうシーンめちゃくちゃ面白く撮るんだろうな。
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