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TENET テネット2020年製作の映画)

Tenet

上映日:2020年09月18日

製作国:

上映時間:150分

4.0

あらすじ

「TENET テネット」に投稿された感想・評価

yuusai

yuusaiの感想・評価

5.0
映画レビューを書く原点と成った「インセプション」を創ったChristopher Nolan監督最新作。初期「フォロウィング」「メメント」が監督本来の姿、10年振りに自分のフィールド(スリラー)に戻る、本作こそ監督が長年創りたい作品。2020年9月18日11:00、TOHOシネマズ二条、MX4D字幕版。その後計4回鑑賞。

2回目はTジョイ京都で友人と見た。仕事帰りが拙かったのか、友人は「ちんぷんかんぷん」で開始10分で置行堀を食らい、全く咀嚼出来ない。彼も「メメント」が好きなので、決して素養が低い訳では無いが、帰りにイオンモールKYOTO「しゃぶしゃぶ但馬屋」で牛しゃぶを突きながら「お前、アレが本当に分るのか?」と真顔で聞かれた(笑)。映画を見る人は「頭をフル回転して見る派」と「頭を空っぽにしたい派」に分れる。アレは「カメラを止めるな!」だよと言ったら大きく頷いてた。

監督のファンなら御存知の通り、彼は「007」が大好き。フェイバリットは「女王陛下の007」らしいチョイス(笑)、好き過ぎて本当に超大物プロデューサーBarbara Broccoliに直電。実際「スカイフォール」で候補に挙がったが、オファーが無いのは作家性が強過ぎるから。引き受けたSam Mendesも、Nolan監督に強く影響を受けてると述べてるし、Daniel Craigの台詞が妙に哲学的なのもNolan風。スタイル抜群!Elizabeth Debicki、私にはボンド・ガールにしか見えない。

本家でダメなら自分で創れば良いが、そう簡単では無い。監督はアイデアの精査に20年掛けたと述べてるが、同時に製作資金を確保する必要が有る。「インターステラー」を作る際に多くのプロデューサーに資金援助して貰った結果、作品にも口を出され家族愛が強調され、ハードSFを貫けなかった。其処で何とは言わないが売れる作品を作って資金を担保。監督と妻のEmma Thomasに依る実質的な自主製作で「インセプション」と同じ体制が整う。製作費2億3000万$、アメリカは自己破産しても債権は全額返済義務が残る。

Netflixが買い付けを狙うも、監督はデジタルでは無くIMAXフィルムに拘り、誘惑を一蹴。映画は映画館で、そんな監督の熱い想いが想定外の方向から邪魔される「中国ウイルス」ハリウッドの大作が軒並み公開を2021年に延期する中で、配給元Warner Bros.は熟考する。興行収入だけを考えれば、来年の方が良いに決まってる、しかし映画館が果たして来年まで持ち応えられるのか?、もし地方の映画館が衰退しネット配信に奪われれば、結局は自分の首を絞める事に為る・・・Warnerは思い切った手を打つ。先ず8月26日から欧州やアジア圏で先行上映で様子見、北米と中国は9月3日に遅らす。日本が最後なのは緊急事態宣言が発布された為。全米ランキングが復活後5週連続1位を獲得、世界興収は4億$を突破した。今はThanksgiving Dayの繁忙期だが、地元ロサンゼルス、ニューヨーク等の大都市では劇場が投稿時点でも再開してない。監督はロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューで、パンデミックの中で来てくれた観客に感謝、とてもエキサイティングだ!と述べた。私はWarnerの英断を全力で支持する。

John David Washington、父は名優Denzel Washington。NFLロサンゼルス・ラムズでプレーした元アメリカンフットボール選手。怪我で引退後に俳優業に仲間入り。偉大な父親に頼る事無く地道に端役からスタート「無名」の俳優をSpike Lee監督がレビュー済「ブラック・クランズマン」の主役に大抜擢。相棒役のRobert Pattinson、監督が違えば絶対にスピンオフを作りそうな見事な存在感。私は見て無いが(笑)「トワイライト」シリーズで一躍トップスター「サーガ」の出演料は約22億円×2部作。彼はイギリスの長者番付で5位。資産50億円とも言われる。が、賢い彼は端役でも喜んで出演を続けた。既に「ザ・バットマン」の主役に決まったが、歳を重ねたら是非James Bondも観て見たい、勿論監督はNolanで。Elizabeth Debicki、いいね、実に良い(笑)長身好きにはタマラナイ191㎝!30歳、オーストラリア人。父はポーランド、母はアイルランド系オーストラリア。両親がバレエダンサーで出生がフランス。監督の作品にはSir Michael Caineが出ないと始まらない、お元気そうで何より。

京都の大学で物理科学科を教える友人に依れば、科学考証は「異議あり!」だとか。時間が逆行する点は良しとして、一部の人間だけ同時進行で順行⇔逆行するのは論理的に矛盾が多過ぎるらしい。説明する女性学者Clémence Poésyが「深く考えないで」と言ってるけど、アレはNolan監督の本心だろ(笑)。

女性学者が「エントロピー増大の法則」を説明するが、物理学の世界で素粒子レベルでは、殆どの物理現象は「時間対称」方程式では時間は+値も-値も変数に過ぎず、仮に時間が反転しても成立する。簡単な例で「ホットの缶コーヒーを買って暫くすると冷める、アイスコーヒーが自分で熱く為る事は無い」つまり「Time's Arrow」過去から未来へは一方向にしか時が進まない。「エントロピーが減少すると時間が逆行してる様に見える」と言う台詞は学界でも広く認知されてる知見、だそうです。

タイトルの「TENET」が「回文」で、日本語で言うと「よく利くよ」と同じ。物語の全体像も回文で、TENETは直訳すると「主義」ですが、監督がインタビューで「SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS」と言うローマで発掘された遺跡の回文がルーツと解説。意味は「農夫のアレポは馬鋤きを曳いて仕事する」セイター、アレポ、テネット、オペラ、ロータスと物語の要素に全て含まれる。

要所で数字の「10」が登場するが、理由は最後で。オープニングでWarnerのロゴが「レッド」順行チーム。監督の製作会社Syncopyが「ブルー」逆行チームと冒頭から伏線満載。別の友人が「タイムマシンが面白かった」と言うが、正確には違う。ワープも同義語だが、行きたい場所に瞬時に行けるのがタイムマシン。本作に登場する「アルゴリズム」は時間を逆行させるだけ、1年前に行きたければ、1年間逆行世界で生きねば為らない。未来人の主戦派は「第3次世界大戦」を起こす現代人は邪魔で、その侵略がメインストリーム。其処で登場するのが「祖父殺しのパラドックス」だが、これは古い学説で劇中でも否定してる。対する未来人の穏健派はアルゴリズムの起動に反対で、現代人に情報を送り阻止させる、それがCIA極秘チーム「TENET」。

「タイム・パラドックス問題」五角形の部屋に有るターンスタイルが時間軸に対して「右」へ行くと1時間「前」に戻れる。部屋がガラス壁で仕切られてるのも理由が有る。回転ドアに入る時に、必ず窓を確認して自分が居る事を確認する。回転ドアから出ると時間を逆行してるので、ドアに入る時に反対側を見ると、ドアを出た自分が見える理屈。自分が見えないのに回転ドアに入ると「因果関係」が崩壊して、永久に出られない。自分の居た場所に重なると「対消滅の大爆発」が起きる。その為のセーフティ・ゾーン。前提→推論→結論=二律背反、正にパラドックス。

相関関係と因果関係をどう解釈するのか?「逆行する銃弾」で女性学者が「エントロピー増大の法則」を説明する。短いシーンで分り難いが、重要な答えが示されてる。名もなき男は説明を受ける前と、受けた後では銃のルーティーンが異なるが、結果は同じく弾は銃に戻る。つまり、結論→推論→前提=TENET。テネットのルールでは「意思は結果に導かれた行動」つまり自由意志はリンクしないので、無限のパラドックスは生じない、と解釈出来る。過去の自由意思は幻でも、未来の自分には改編出来る。ん?都合良くないか(笑)。

ルールを正当化するには2つの方法論が有る。1つは「インセプション」の様にキャットを助けるミッションは「夢」説。これなら成功するまで何度でもチャレンジ出来る。キャットは名もなき男の夢の中で永遠に生き続ける。だが、そんな伏線は何処にも無い。もう1つは「インターステラー」の様に「多次元」説。時間軸を平行移動出来る、アルゴリズムが作れるなら、ディメンションも可能。しかし、時空が歪めばアナイアレイション「全滅領域」と劇中で言及してる。論理的には友人の指摘通り大きな矛盾が存在する。

矛盾をクリアすべき人が今回は不在、Jonathan Nolan、監督の弟で脚本家。傑作「メメント」は彼が原作者で有り、TVシリーズ「ウエストワールド」も彼の原案と制作。「インセプション」は完璧だが、本作は全てを整理しないまま見切り発車した跡が伺える。監督は矛盾点をアクションで押し切る事で、瑕疵を打破する作戦に出た。私はクライマックスの決戦は本当は誰が指揮してるのか、サッパリ分らない。

そんな考えを忘れさせる為に、極力VFXを使わず(CGは全体の2割以下)、冒頭のオペラハウスも本物で朽ち果てた劇場を映画用に改修、其処に満員の観客を入れ実際にドッカ〜ン!。企画段階でプロデューサーが却下する案件だが自主制作なのでお構いなし。空港で民間機が突っ込むシーンも中古だけど本物の747を使い、CG無し!。時間に逆行したカーチェイスもVFX無しで、逆行してる風に演じてる。閉じ込められたDebickiが、足でドアロックを解除するが、191㎝長身の美脚が有れば説得力も増す(笑)、それをミニスカで撮る監督も流石。最後は力技で捻じ伏せた監督と、それに応えたスタントチームに心からお疲れさまと労いたい。

クライマックスの挟撃作戦の時、バックの音楽も逆行の時は逆回転で聞こえる。決戦の時間は「10」Ten分。順行レッドチームTenと逆行ブルーチームneT、Ten+neT=TENET。最高に難しく知恵熱が出るほど面白い。これほど2回目が楽しい作品を、私は観た事が無い。


【ネタバレ】「TENET」アンダーカヴァー考察 必ず鑑賞後にご覧下さい【見ちゃダメ】

※キャットの息子マックスがニール説について

計算して見れば、それが想像を絶する過酷さで有る事は明白。本編の説明では、元の時代に戻るなら、同じ年数を逆行で過ごす必要が有る。加齢の概念の説明は有りませんが、Pattinsonの実年齢34歳、マックスを仮に8歳とすれば、34歳のニールに会う為には、マックスは21歳の時に逆行に入らねば為らない。酸素マスクを付けて13年耐えられるか?。逆行中は加齢しない、ので有れば34歳で逆行しても良い、しかし、その場合の逆行時間は26年、どう考えても無理が有る。正にOft ettle, whiles hit。

※キャットは生き延び、ブリヤが殺される矛盾

ラストシーンも非常に不可解。自由の身と成ったキャットは、マックスを迎えに来たが、不審な車に気付いて「名もなき男」から渡された電話で場所と日時を伝える。すると後部座席に名もなき男が現れ、ブリヤを殺す。初見では全く意味不明ですが、全体を通して見ると意味が分る。電話を渡された時「誰に繋がるの?」と言う問いに「記録だ」と告げた。字幕では記録ですが「POSTERITY」と発音してる。パステラティとは後世ですが、テネット側もターンスタイルを持ってるので、セイターと同じ様にタイムカプセルを送る事が出来る。電話の会話を記録する装置を安全な場所に隠す。その後、名もなき男は記録装置とターンスタイルを使って、過去の情報を手に入れる。キャットの場合も電話をする前に内容を知る事が出来た。時系列的にはマックスの迎えが来ないので、タリンの出来事の後と判る。

プリヤを始末したのは名もなき男の「TENET」に反するから。ブリヤは情報漏えいを防ぐ為に、名もなき男、ニール、キャット、マックスを殺す事に躊躇しない。オペラハウスの観客全員爆破もプリヤの指矩。しかし、名もなき男は観客を助ける事を即決、自殺から目覚めた第一声が仲間の安否。彼の主義は「一般人を巻き添えにしては為らぬ」プリヤの考え方にも一理有るが、スパイこそ仲間の結束が大事で有り、使い捨ての組織は統率力を失い衰退する。007だって006や008を助けるシーンが有る。名もなき男が「黒幕はアンタじゃなくて、俺だよ」と言って始末した。役名「Protagonist」字幕では名もなき男ですが意味は「主人公」。最後の台詞で名もなき男が「主人公」の物語と言う事が解る。

※ベトナムのヨットのシーンの矛盾点

初見では気付け無かったが2回目以降、これが謎だった。クライマックスのスタルスク12での奪還作戦と、ベトナムのヨットのシーンは、日付は同じ14日の筈。このシークエンスは逆行ルート、つまり過去の筈。アルゴリズムを奪うチームは全員酸素マスクをしていたが、キャットとボートで待機していたマヒアは酸素マスクをして無い。3回目の鑑賞の時、伏線が有るか確認したが無い。キャットとマヒアだけ逆行ルートの中で順行ルートで居る方法・・・答えはターンスタイル。逆行ルートの中で、もう一度ドアを潜れば反転→反転で酸素マスクの要らない状態、これしか考えられない。ノルウェイ沖合でのマグネバイキング号のシーンも波の動きの辻褄が合わない理由も解けた。

※2人のニール、悲しい結末の真相

スタルスク12側でも大きな矛盾点が有る。主人公と隊長を車のワイヤーで助けたニール。彼が「素晴らしい友情の終わりだ」と告げるシーンは感動的。しかしアルゴリズムの有った地下には、目印と為るコインを付けたバッグの男が、檻の内側で死んでるのをハッキリ映してる。アレがニールで無くて誰なのか?。つまり同じ時間軸で地下と地上で2人のニールが共存してる。ニールは逆行チームとして地下に潜入したが、主人公が爆弾で生き埋めに為る事を知る。其処で地下のターンスタイルで順行ルートに転じ、車のワイヤーで2人を助けたが、気に為るのは檻の死体。つまり、ニールは檻の中に戻らないとパラドクスに陥る。

矛盾を回避する方法は、ニールが主人公と別れた後、隊長とも別れヘリには乗らず、地下で逆行ルートに戻り、主人公を助ける為に檻の内側で待ち、彼は此処で死んだ。ニールの友情の終わりは、主人公の最初の友情。ミッションの数年後に主人公はTENET部隊を編成。その何処かでニールと運命の出逢いを果たす。そして主人公を助ける為に、ニールは過去へ旅立つ。ニールが来た道と、主人公が行く道が重なる。ニールの人生に追い付くのが本作の物語の全て「素晴らしい友情の終わりだ」それで矛盾のピースが全て埋まる。何て残酷な結末・・・

※真のエンディング、希望への光

エンドロールの最後で、Warner Bros.のロゴが青く光った・・・アレ?、オープニングは赤だった。つまり物語はこれから順行から逆行へ転換、としたら話は違って来る。ニールの死の結末を知る主人公、彼は機密漏えいを恐れて死を選ぶ熱い男。自分を助ける為に死んだニールを生かす事は自分が死ぬ事。ニールと自分を救う事は世界を救う事を危うくする。セイターを抹殺してキャットを救い、ニールを助けて世界平和も成し遂げる、その為には自分は死んでも良い。「ニール、待ってろよ。これから助けに行くからな」プリヤを始末した彼は動き出す。この物語は、映画が終わった直後から始まるのだ。

これが真のエンディング、私は彼なら必ずやってくれると信じている。
レン

レンの感想・評価

4.3
初見だから、あれ何でこんなとこいるの?って何度も何度も思った😀😀😀
よくわからんパートもあったけど最後はニール🥲🥲ってなった、、

解説とか見てもう一回挑戦したいねえ
えげつないほど面白かったですし、次回作にめちゃめちゃ期待してます。あると信じてます。クリストファーノーラン監督を信じてます。お金が足りないならクラウドファンディングして欲しい、思うままに作っていただちていいので、そうして欲しい。
それほど面白い映画でした。
あきら

あきらの感想・評価

3.9
面白ムズカシイ💮
KYO

KYOの感想・評価

3.6
仲間のために命をかけることも厭わない男が、未来から来る敵と戦い、世界を救う物語。

本作のキーワードは「逆行」である。「逆行」の世界が映像化されているのだが、これが観ていて新しい。「逆行」と「通常」が同時に進行している世界観についていくには、少し時間が必要だった。
この作品は一回だけ観るのはもったいないと感じる。1回目はストーリーの展開を楽しみ、2回目以降は作り込まれた細かな部分を楽しむことができる。

注意点として、疲れている時やイライラしている時に観ても、なかなか頭に入ってこない可能性がある。
本作は頭がスッキリしている時リラックスした状態でに観て欲しい。
これみたわ
shizumi

shizumiの感想・評価

4.3
初めて観たあの日 内容なんてほとんど理解できなかったけど ずっと頭から離れなくて この映画のことばかり考えて 頭が痛くなって ちょっと休憩して でもやっぱりまた考えてを繰り返して そして挑んだ2回目 まだまだ理解が追いつかないけど 少しは落ち着いて観ることができた気がする 3回目はさらに落ち着くかと思いきや また迷い込んでしまったり

冒頭のオペラのシーンひとつとったって 背景が複雑すぎて 初めは映像を楽しむのでやっとだったけど きっとそれでいい 作中でも言ってた "考えないで感じて" その言葉を頼りに何度だって挑みたい 何度だって楽しくてワクワクするから
紘

紘の感想・評価

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英語音声英語字幕では何も理解できませんでした。。
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