タクマ

魔女見習いをさがしてのタクマのレビュー・感想・評価

魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)
4.1
おじゃ魔女どれみと全ての物語を愛する人達へ送る愛のこもった贈り物。
おじゃ魔女はリアタイ世代やけど放送当時の見た記憶はあんまり残ってない私。鑑賞前はおじゃ魔女達がメインの物語かな?って思ってたけどそんな事なくてこれはおじゃ魔女を見て育った3人の女性の物語。
クズな男から離れられなくなった人、夢が分からなくなった人、仕事と現実の板挟みになって疲れてしまった人、各々違う悩みや葛藤を抱えた人達が自分達が大好きな「おじゃ魔女」と言う物語を通じて出会って時に笑いあい時にぶつかり合いながらもそれらを通じて成長し自分達の問題と向き合っていく。その辺りの描写が丁寧で優しくじっくり染み渡る様に見ているこちらの心も暖かくなって行く。
夢を追いかけて社会に出て誰にしろその夢を掴めるわけではない。頑張れば掴めるかもしれないし掴めないかもしれない。厳しい社会の中ではそれも辛い現実の一つだが映画にしろアニメにしろ物語には人の人生を確実に豊かにする魔法がかかっている。おじゃ魔女を見てようが見てまいが興味さえ沸いたらこれは是非とも見てほしい。おじゃ魔女にそこまで思い入れがなかった私でも感動できたしなんならラストのサプライズには涙も流せた。どんなに辛くても苦しくても物語は自分達のすぐ側にいてくれる。この映画は物語に人生の彩りを与えられてきたと言う感覚がある人なら絶対に見るべき傑作なのだ。90分と言うちょうど良い上映時間も含めて多幸感の高い映画だった。
…見終わった後にYouTubeでおじゃ魔女のオープニングを聞いたら見る動画のおすすめに幼児向け知育アニメが出てきて暫く消えてくれなかった。クソ!笑
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