TaichiShiraishi

KESARI ケサリ 21人の勇者たちのTaichiShiraishiのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

真面目な戦記映画だけどインド映画らしい外連もたっぷり。でもあり得ない描写にならないギリギリのラインをついていた。

冒頭からアクシャイクマールさんがパッドマンと同一人物とは思えない強面晒しながら大暴れ。ここでリアリティラインがちょっとだけ現実から飛躍している程度って言うのがわかる。主人公の性格も良くわかるし、後に苦しめられるオカマスナイパーも出てくるし重要な場面。

そこから軍規に背いたイシャル・シンは「インド人には奴隷体質が染みついている」とかイギリス軍の上官に嫌味を言われながら僻地のサラガリ砦に左遷されてしまう。

そこでだらけ切っていた現場のシク教徒兵士たちを鍛えまくるんだけどこのくだりがちょっと長かった気がする。

おまけに正直な話、21人がみんな髭面ターバンなうえに名前も○○・シンばっかりだから見分けは全然つかなかった。でもシク教徒の絶対に崩せない正装スタイルだからビジュアル的にはアウトでもこうするしかないよね。インド人でも見分けつかないんじゃないか。この部分が一番ネック。
あと、21人じゃなくて現場で戦っていたのは22人なんだからこの邦題の付け足しはやめた方がいい。あいつも水を上げるために頑張ったんだから。



ケサリってサフランの事だったのね。昔給食で出るサフランライス好きだったわ。
「イギリスのためでなくインドやシク教徒の誇りのために戦う」って演説は普通に感動的。久しぶりにいい激の場面を見た。あれはあがる。


そして戦闘シーンが始まると一気に面白くなっていく。

他のレビューでバーフバリとは違うって書いてる人もいるけど近代戦だし実話だしそりゃそうでしょう。

実話通りなのかもしれないが、捕虜に爆弾つけてドカン以外は作戦らしい作戦もなく気合で撃ちまくってるのがちょっと微妙。でもスナイパー戦に城壁駆け降り、扉を隔てた攻防などなど見せ場を適度にシフトして展開していくあたりさすがマッドマックスのアクション監督やで。

そして次々と仲間が死んでいく。よくこれで夕方まで持ちこたえたな。敵が腰抜けすぎる気もした。間違いなく勝てる戦だからこそわざわざ突っ込んでいって死にたくないって思ってたんだろうな。

スローモーション使ってドラマチックに死を盛り上げていくが、誰が誰だかわからないからちょっと乗りにくい。グルムクの成長はグッと来たけど。

イシャル・シンの刀とリング使ってのバトルはかっこよかったが、結局チームワークよりスターの活躍優先なのかと思ってしまう残念さはあった。でもやっぱスターってすげえ。

あとベタだけど敵が敬意を払ってターバンに触らないことを誓うってのはアツいよね。

150分と長尺だけど後半はかなりの見ごたえで面白かった。実話なのにツッコミどころ多いのはご愛敬。
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