【胸糞レイシストとの戦い、完結】
一応、1〜4作目まで全て観ました。
まず、この『イップ・マン』シリーズ。
私は好きです。
全て観た上で興味深かったのは、4本とも異なるテーマを持っていながら全てがイップ・マン、そして中国人が歩んできた苦難の歴史を描いている点ですね。
争いを好まないイップ・マンが、幾度となく胸糞悪い差別や偏見、暴力と立ち向かい、最終的に勝利する。
このストーリーの軸にカンフーアクションを組み合わせることで生まれるスリルと興奮、そして勧善懲悪の爽快感こそ、『イップ・マン』の一番の魅力です。
ドニー・イェンの素晴らしい演技、上質なアクションシーン、そして豪華なゲスト俳優たちも、このシリーズに華を添えていますね。
ですが……。
面白く描こうとするあまり、回を重ねるごとにだんだん脚本が荒唐無稽になっているのが、非常にもったいない!
結果、この4作目が一番微妙でした。
もうイップと中国人を苦しめるだけ苦しめて、最後に決闘で勝って大逆転という結末に持っていくために、強引に中国人イジメとか差別を描いているように思えてしまうんですよね。
そして、そうなればなるほど、胸糞なシーンが増えていくんですよ。
今作の学校でのイジメシーンは、かなり観るのキツかったです。
もし仮にこうした史実があったとしても、描き方が少し雑だと思います。
あと、あのような展開にするなら、金髪ビッチの親父が海兵隊の教官で良かったのでは?
最後の戦いの相手が、米国海兵隊のなんか強いレイシスト教官ってのも…いまいちパッとしないというか、敵としての魅力を感じないというか。
タイソンの次は誰だ!って期待してたらスコット・アドキンス?
う〜ん、これまたなんとも言えない人を……。
結局、一番胸糞悪かった金髪ビッチとその親父は野放しなので、過去作のような爽快感が無かったのも気になりました。
あの親父と娘にも、詠春拳キメて欲しかったです!
ブルース・リーの戦闘シーンは興奮しましたが、ここまでフィクションありきの作品なら、いっそのことブルースと共闘するシーンとか観たかったですね。
シリーズの最後としては、少し物足りなさ感じてしまう作品でした。