あきらむ

私が、生きる肌のあきらむのレビュー・感想・評価

私が、生きる肌(2011年製作の映画)
4.4
前情報ほとんどなしで見て、ちょうど開始一時間後あたりで、はあぁ???????と変な声が出て、終始唖然として最後にはひきつった笑いがでた。人権とは……男とは……女とは……強姦とは……と変なゾーンに入って帰ってこられなくなる。そりゃあ逃げ場所を探すためにヨガもやりたくなるね。
肉体的精神的拷問を行う肌マニアサイコパスドクターは夢に出てきそうでもう嫌。強烈すぎる。あとママ、お前もいい加減にしろ。
アルモドバル監督は「女の形」と「中身」をこんなふうにも描くのか。
ベラの心境が制作物や壁いっぱいの文字に溢れていて普通と狂気の間を綱渡りで歩いているのがよくわかる。
ご都合主義の特殊二次創作マニアはこれを見て頭おかしくなれ。
変態を徹底的に変態として描き切り、犠牲者をご都合主義で済まさず、発狂寸前の繊細な心境を描きききった怪作。
女というのはこうやって作られるんですよ。わかったかい?と笑顔で問われているような気がした。