ピッツア橋本

私が、生きる肌のピッツア橋本のレビュー・感想・評価

私が、生きる肌(2011年製作の映画)
3.9
“その肌の下に隠された真実。性を超えた変態映画監督ペドロアルモドバルが描く予測不能な<女心>’を読み解け!”

想像してほしい。
とある天才マッドサイエンティストがいてその屋敷の密室に絶世の美女が謎のボディースーツを着て軟禁状態にされているそのワケを。

本作は完全実写、ノーCGな映像ではあるが、発想が極めて漫画的、特に手塚治虫的なSF感。
ある種のメタモルフォーゼに満ち満ちている。

何作かペドロアルモドバル作品を観たことある人ならわかるかもしれないけれど、
極めて特異な性の価値観や表現描写をとんでもないスパニッシュ系美人が演じる事で、信じられない妖艶な映像体験を出来るのが彼のスタイルである。

本作も御多分に洩れずその要素満載で、鑑賞途中で体の局部が内側から捲れるような強烈な違和感に見舞われ一回自分は観るのをやめた苦笑

よく言うと究極の肉体美と憧れを追った内容で、あまりのアイデアのぶっ飛び具合から、キャラの感情移入もクソもなくなる。

今まで観たことのない生物達の定点観察を強いられたような感覚に陥った。

ラストがすげえイマイチだけど、じゃあこのストーリーアイデアの落としどころってどこだろうと考えると超難題。

浮世離れしてるのに実に生々しい。そんな映画体験が出来た120分だった。
ピッツア橋本

ピッツア橋本