ソーセージを一度も食べたことない人に、
材料と作り方だけ渡してみたら、きっとドン引きしますよね。
肉を細切れミンチに(はい)、
ここで羊の腸を取り出しまして(⁈)、
わざわざ内臓に詰めこみます(サイコパスの食事???)
余りにも猟奇的なレシピ。
でもあらふしぎ、出来上がりは食欲をそそる香りに、美味しさ…
何が言いたいかというと、
彼の作品を端的に文字におこすことは難しく、説明しがたいのだという一例もとい言い訳です。
アルモドバル監督作品はトピックのグロテスクさや異様なエッセンスが濃厚なため、今回もかなり挑戦的な内容だった。
しかし彼の映画世界からおぞましさ、卑しさや下品さというものが悪目立ちしている印象はない。
エロもグロも人間の一部。
メッセージに下卑た感情や辛さを和えることにより、妙に前向きなエネルギーや、なりふり構わない人間というものの逞しさを感じることができる。
しかしこれだけ画面上で好き放題された後で、観終わった後は一周回ってなにやら開放的で、前向きな気持ちになるのだから本当にずるいというか、稀有な才能ですね。