垂直落下式サミング

うさぎドロップの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

うさぎドロップ(2011年製作の映画)
3.0
一世を風靡した大ヒットドラマ『マルモのオキテ』で、希代の天才子役としてその名を日本中に轟かせた芦田愛菜大先生主演の作品。週刊紙の推定なので真偽は定かではないが、あの特集記事を真に受けるとするなら、彼女は俺の生涯賃金を七歳にして稼ぎ終えた怪物だ。
この実写版『うさぎドロップ』だが、原作から漫画的な要素を差し引いて、軽はずみに子育てを引き受けてしまった男の成長を描くファミリームービーの様相。共同生活を通じて二人の間に家族の絆が生まれるってことなのだけれど、人と人が一緒に生きるんだからもっと現実的なトラブルが浮上して来たりして、未熟なりに二人が寄り添いながら問題を乗り越えたりしていくものじゃないんだろうか。
芦田先生の超子役演技は、リンというキャラクターの漫画的な一面を際立たせていたように思うが、彼女の扱いは子供というより愛玩動物のよう。リンが愛くるしいから周りがほだされているようにみえてしまって、ダイキチや周囲の大人が育児を通して人間的に成長しているようにみえない。
見所は勿論お遊戯会の場面。横に立ち並ぶ凡百の子役達を圧倒する芦田竜王の怪演をみよ!
子を持つ親には、あんなふうに自分の子供がとりわけ輝いて見えるものなのだろうか?それでも流石にあんな子供いないよ。