こく

ひとよのこくのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.9
白石監督やっぱり凄いな。ヤクザや警官、凶悪殺人犯は得意だが、市井の人を描いても傑作。普通の人が、仕方なく殺人を犯してしまった様子と事後を、しっかりと描いてます。『凪待ち』『雌猫たち』同様、ダメ人間賛歌とも言える。

地獄のようなDVから子供達を救うため、夫を殺害する母親。「自由に生きて」と未来を託すが、3人の子供達は、殺人者の子として地獄のような日々を送る。

鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子がとにかく素晴らしい。佐藤健もいつもとは、ひと味違う。

必死で普通の人の振りをしてる元ヤクザを演じる佐々木蔵之介も良かった。その時点で、臨界点ギリギリなんだよね。

余談ですが、佐藤演じる記者が、編集に小馬鹿にされ腐りながら仕事する様はかなりリアル。記事のクオリティでなく、何故か記者見下しに能力全振りしてる編集者って意外と多いので。

人間は皆弱いですが、今の自分を親族や他人のせいにしないで、生きていきたいです。
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