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ひとよのukのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
3.2
総じて言えば「家族とは、人とは」を描いた物語。
好きな白石和彌監督。
DVを子どもに繰り返す父親から子どもたちを守るために父親を殺害し、刑務所に入った母親こはる(田中裕子)。
そして、取り残された兄妹3人、長男大樹(鈴木亮平)次男雄二(佐藤健)長女園子(松岡茉優)。
幼少期から物語は始まり、「15年刑期を全うしたら帰ってくる。」と去った母親が15年ぶりに3人の元へ帰ってくる。
しかし、昔と同じような関係に戻れるわけもなく、それぞれがそれぞれの想いを持っており、歪な家族となっていた稲村一家。
子どもを守るために殺人を犯した母。しかし、母親が殺人を犯したことで嫌がらせを受けて育った3人。
母の行いは母の視点で言えば正義だが、何も知らない他人からしたら殺人は殺人でしかない。
父親のDVに耐えながら生き続けた方が良い人生だったのか。
今の人生のほうがいい人生なのか。
何が正しくて、何が間違いだったのか。
生きていく大変さ、白黒だけでは識別できない人生の難しさを体現した作品。
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