バナバナ

ひとよのバナバナのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
2.5
原作は演劇脚本だそうですね。
子供の為に母親が父親を殺した。母親が刑務所に入っている間、嫌がらせや差別を受けていたらしい子供たち。
だが、世間の人が母親を「人殺し」というのは分かるけど、
子供たちも母親のせいで人生が狂った…と許せないものなのだろうか。
だって父親が母親が子供たちにDV振るってたから殺されたんでしょ?
母親は方法が間違っていたかもしれないけど、家族を守るためだったんでしょ?

こういう事件が起こると、SNSが無かった昔だって、新聞記事や週刊誌を読んだ全く関係ない人達からの嫌がらせ電話や、落書きはよくあったと思いますが、
それらのせいで人生が上手くいかなかったとしても、それを母親のせいにする?

子供の頃、毎日顔にあんな殴られた痣があるのに、何もしなかった学校やご近所の、周りの大人たち。
それなのにまだ世間は自分たちをイジメるのかと、逆に残った兄妹の絆が強くならないのだろうか?
それに、その環境が嫌なら、学校を出た後は自分のことを全く知らない他所の土地でやり直そうとするのではないかと思うのだが、
兄妹三人のうち二人も地元に残っているし、よく分からなかった。

逆に考えると、母親を殴る父親をもし息子が殺してしまったとして、
母親はその後の世間からのパッシングを全部息子のせいだと恨むだろうか?
母親も飲み歩いたりする荒れた家庭だったら一家離散になりそうだが、この映画の場合、母親は凄く愛情深い人だったので、この設定そのものに違和感を感じました。
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