イイナ

ひとよのイイナのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
3.6
家族の描き方も、昔と今では随分様変わりしてしまいました。
現代の実際あってもおかしくない題材の本作は、白石監督とあって期待も膨らむ。

いきなり引き込まれる前半、田中裕子さんの眼の死に具合が不気味さを漂わせる。
大人になった3兄弟妹の心の葛藤は癒えず、その辺りを絶妙に描いていく。
鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優の演技のリアリティは、自分の家族や兄弟、親との関係について、ふと考えさせられた。

ただ、後半の佐々木蔵之介の豹変後は、残念ながら引いてしまった。タクシーの追っかけっこや埠頭のシーンで、無理にエンタメにして感動させようとする必要はあったのか?
冒頭の制作会社のクレジットを見て、一抹の不安を感じたが、盛り上げる為の嘘っぽい見せ場とか、泣かせ処を入れ込まず、最後まで淡々と自然にこの家族が歩き出す姿を描いて欲しかった。

コンプラ崩壊の佐々木蔵之介父子はどうなった?強引に展開させといてほったらかしかーい