事故により降板した主演女優の代役を任せられた若いオペラ歌手が、黒覆面の猟奇殺人者にストーキングされてしまう。「美少女凌辱路線、ここに極まれり!」と言わんばかりの、スラッシャー映画。
「主人公が劇場関係者の誰かと二人きりになる→周囲で怪異現象が発生する→犯人が登場する→何故か一緒にいた関係者だけが殺される」という反復パターンを、様々なシチュエーションの中で繰り広げていく。
サイコキラーに捕まった主人公は、下まぶたに針を貼り付けられ、目を見開いた状態で緊縛放置を受けることになる。そして、劇場関係者への殺害ショー(毎度ヘヴィメタが爆音で流れる!)を、かぶりつき状態で無理やり観劇させられる。
一人称カメラが目まぐるしく動き回るため、「今は何の目線なの?」と混乱させられるが、「この過剰演出がたまらなく面白い」という側面をもつ。人間のサドマゾ心理へと落とし込んでいく、クリーピーな語り口もまた鮮やかに決まっている。