TaiRa

スケアリーストーリーズ 怖い本のTaiRaのレビュー・感想・評価

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ジュブナイル・ホラーとしては近年で一番良いんじゃないか。良く出来た『イット』みたい。

前作の『ジェーン・ドゥの解剖』ほど怖くないけど、恐怖描写はちゃんと工夫もあるし楽しめた。ジリジリと距離を詰められる怖さが良い。畑のループ感と逃げ場所のなさも絶望度高めるし、病院の廊下の絶望度も良かった。やっぱゾンビにしろ幽霊にしろゆっくりしてる方が怖いよね。病院は真っ赤な照明のドギツさとワンカット内で逃げ道が封じられて行くカメラワークが素晴らしかったね。ちょっと照明暗過ぎる場面がいくつかあったけど、まぁいいや。子供たちが毎日一人ずつ消えて行くってタイムリミット制も脚色として良い。ホラー短編集を一つの物語にするとオムニバスっぽい作りになりがちだし、一つ一つの恐怖場面がバラバラに独立しちゃうから、そこにある程度ルールを設けた方が良い。あとクリーチャーの造形良かった。特殊メイクとCGの組み合わせもそれなりに上手いし、グニャグニャおじさんのデザインとかロブ・ボッティン調でイケてた。クライマックスの幽霊とのカットバックが凄い論理的でやっぱちゃんとしてるなぁと。
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