ふっくー

スケアリーストーリーズ 怖い本のふっくーのレビュー・感想・評価

4.0
主人公にしてあげる。
とびきり怖いお話の……

恐ろしすぎて全米の子供達にトラウマを与え、図書館から置くことを禁止されたベストセラー小説を「トロールハンター」や「ジェーンドウの解剖」で一躍脚光を浴びたアンドレ・ウーヴレダル監督が映画化。
プロデューサー、原案をクリーチャー映画といえばこの方ギレルモ・デルトロが名を連ねる。

コンパクトな上映時間でありながら、テンポが良く、それぞれ怖いお話を「怖い部分」だけに焦点を当てて退屈させないストーリー構成に仕上がっていて、効果音、暗闇、そして視覚で恐怖を感じさせてくれる王道ホラームービー。

登場する恐怖のモンスター達がどれも個性的で最高に楽しかった。

Harold the Scarecrow
カカシのハロルド
凶悪度★★★☆☆
広大なトウモロコシ畑のあぜ道に立てられたカカシ。害鳥除けの機能だけではなく、トミーら悪ガキたちのうっぷんばらしの対象となり彼らの暴力の対象となっていた。魂を得るや、トミーを迷路へと招き入れ追い詰めたのち、彼の肉体を乗っ取ってしまう!!歩き方はよちよち歩きで両足ピーンが愛くるしい。

造形が最高!!てか悪ガキ!よくこんな元から不気味なカカシをうっぷんばらしの為にボコボコできるな笑。乗っ取ったあとさりげなくトミーの上着を羽織ってるお茶目さは好感度上がります笑。


The Pale Lady
青白い女
凶悪度★★★★☆
青白い顔、黒い目と黒髪を持つ女性のモンスター。赤い部屋に現れる。額と顎のスペースが広く、両眼の距離は離れ気味で、体型はずんぐりとした肥満体。一旦愛くるしい???姿をしているが、油断は禁物。逃げ惑うチャックの視線の向く先々に現れ、ジワジワと追い込んでくる。
ニコリとわらった口元がチャーミング。

造形が神!100点満点です!!赤い部屋で逃げる方向に必ず現れるとゆう13日のジェイソンさんもびっくりな出現方法で追い詰めのプロ。こんなんがジワジワと追い詰めてきたら腰抜かしてまう笑。


The Toeless Corpse
足指なし死体
凶悪度★★☆☆☆
欠損した自分の足の親指を探して歩く、女性のゴースト。異様なほど細身でワンピースを纏っている。生気がない顔で、眼球は損失しており、皮膚には血管が不気味に浮き出している。
親指がないので動きは遅め。シチューを食べる前に親指が入っていないかしっかり確認してあげて、入っていたらちゃんと返してあげれば意外と優しいかも??

足指のないこちらのゴーストも怖いけど、誰が作ったかわからない、そして明らかホワイトシチューでもビーフシチューでもない色をしているシチューをパクリと食べるオギーが1番恐ろしい笑。
ベットの下に隠れてお決まりの覗かれドーンなパターンと思いきや、一捻りある襲われ方をされるので、楽しんでね。


The Jangly Man
ジャングリーマン
凶悪度★★★★★
ラモンが子供の頃に何度も聞かされていた怪談話に登場する怪物。生首の状態で出現し、「ミィタイ ドウティ ウォカィ」(いばりんぼうをつかまえた)と呪文のようにうめく。バラバラになった胴体と手足を自由に解体・合体が出来るかと思えば関節をありえない方向に曲げ鉄格子をすり抜ける柔軟さや、アクロバティックな動きも可能なラスボス。

これは文字通り最強でしたね笑。合体したあとの怪力で警察官をネックツイストで締め、ラモンを鬼のようにストーキングして追いかけてくるので、彼に遭遇したらもう諦めて「一緒にヨガでもどう?」と誘ってみるのもありかも?笑

その他モンスター以外で印象的だったのは、ルースの顔の腫れ物から蜘蛛の大群が大量に出てくるシーン。これなかなか気持ち悪くてゾワゾワしちゃいました。ベローズ家の幽霊屋敷の過去の掘り下げも不気味だった。
1968年の時代背景やドライブインシアターで上映されていた映画が「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」だったり、チャックがスパイダーマンの衣装を注文したのに、純粋に蜘蛛男の衣装が届いていじられたり、所々でクスリと笑えるシーンもあるので、バランスが良い。めちゃくちゃ悪ガキのトミーも母親には頭が上がらなくて、卵の配達をしたり、逃げるときに「母さん!!!」といって逃げるギャップがちょっと可愛かった笑。

一つ一つの怖いお話をもうちょっと長い時間を使ってオムニバス形式で紹介しても全然面白いよね。
ふっくー

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