こうん

デッド・ドント・ダイのこうんのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
4.0
ジャーのムッシュのゾンビ映画。
ってんで楽しみにしていたんだけど、緊急事態宣言の間になんか冷めちゃった感じの低いテンションで観てきました。

ん!まぁそこそこ面白いし楽しめる!

僕は忖度して楽しめるほどジャームッシュ好きでもないんですけど(「パターソン」は超好き)、それなりに楽しめたというか、ジャームッシュらしい脱力オフビート系ロメロ好き好きゾンビ映画の、まったく期待を裏切らない、裏切らなさすぎる一本でした。

いつも通りのやる気のない男をそこそこの熱量で演じるビル・マーレイと真意の見えない男を飄々と演じるアダム・ドライバーのなんとも言えんやり取りは面白かったし(ほとんどアドリブではないのか)、徐々にゾンビ禍に呑まれるのんびりしたテンポも良かったし、「野生動物じゃない?」という天丼のギャグはちょっと笑ったし、意外としっかりしたゾンビ・ゴア描写は嬉しかったし、ゼルダ・スウィントンのチャーミングな怪演は繰り返し見たいし、トム・ウェイツの渋い声は相変わらずで「このポルチーニ茸美味そう」というだけでも詩人だし、セレーナ・ゴメスの無駄な色気の無駄遣いはなんとなくなんとなくだし、ダニー・グローバーとケイレブ・ランドリー・ジョーンズのコンビはスピンオフ作ってほしいし、田舎コメディとして面白かったし、まぁおおむね満足といえば満足。
年取ってもクロエ・セビニーはチャーミング。
久しぶりに銀幕でブシェミも観れたし。

しかしまぁなんでしょうね、悪く言えば気の抜けたコーラでした。
それはそれで味はするけど、映画体験としてそれなり。
ジャームッシュが撮るジャンル映画としては面白かったけど、てきぱきとゾンビを首ちょんぱするゼルダ・スウィントンとアダム・ドライバーしか記憶に残っていないかなー。あとドライバーinスマート。

ゾンビ愛はびんびんだったので、この消化不良感も心地よいものとしようと思います。
家帰って「バタリアン」で留飲下げたのはナイショです。
こうん

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