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デッド・ドント・ダイのdm10foreverのレビュー・感想・評価

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)
3.8
【たけしの挑戦状】

若い方はご存じないかもしれませんが、元祖「ファミコン」全盛期に、突如世に放たれた問題作「たけしの挑戦状」。
ご存知ビートたけしプロデュースのゲームなのですが、これがムズい。とにかくムズい。
まともにクリアできた記憶がない。
ゲームの造りも完全に人をおちょくっているというか、ガチのゲームクリエーターが「これはヒット間違いなし!」といって作ったような作品ではない。
悪ふざけの究極の延長線上にあったようなゲームなのだ。
そして人はこのゲームを親しみを込めて「クソゲー」とよんだ。
なんなら「超」をつけて。

でもね、何故か覚えてるんです。
そんなにクソみたいなゲームだったら記憶にも殆ど残らないはずなのに、何故かみんな覚えてる。
「『たけしの挑戦状』覚えてる?」
「あったね~~、あのクソゲー!」
そして、そこで感じる若干の違和感。
(そういえば、これをクリアしたって奴に出会ったことないな・・・)
実はそこなんです。
全てを知らないまま、クソゲーと呼んでしまっていたのです。
開始から10分もかからずにクリアできてしまうようなつまらないゲームならともかく、難解すぎてクリアできないようなゲームを「クソゲー」と悔し紛れに呼んでいたのです。

―――この映画はかなり賛否両論を巻き起こしていますね。
割合的にも4:6くらいの割合で「否」のほうが多そう(笑)。
確かに「ゾンビ映画」として観ようにも、ゾンビ映画のセオリーなんてすっ飛ばしているし、かといってジム・ジャームッシュが普段撮るような「ゆる~い日常の断片」というには、これまた世界観がすっ飛んでる。
きっとそういう「殺別とした世界観」と「ふんわりした会話劇」の温度差がなかなか埋まらなくて、結局「こういう映画だよ」って言葉で表しにくいという感想がそのままこの作品の評価にも繋がってしまっているのではないだろうか?
正直、ホラー好きの僕も、普段の「怖いもの見たさ」からの「怖くないもの見たさ」という変てこな動機からの鑑賞となりました。
さてさて、どうなることやら・・・

~以下ネタばれコメ欄にて~
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