JunichiOoya

どん底作家の人生に幸あれ!のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

5.0
Filmarksのオンライン試写で拝見。

興行的にやむを得ないのでしょうがこちらの邦題では、みすみすお客さんを失ってしまうんじゃないかしら。それほどデビッド・カッパーフィールドの名前に訴求力がないのかなあ。

2020年のマイベストワン、テリー・ギリアムの『ドン・キホーテ』に繋がる、というかモンティ・パイソンにも繋がる、騒々しくも豊かな映像表現に溺れたい方に是非ともおすすめしたい傑作。

いかにもわざとらしい書き割り背景と奇抜な転換(突如伸びてくる巨大な手とか、襲いかかる荒海とか…)はそもそもTV的だと思うのですが(pcディスプレイで見たこともあるのかも)スクリーンでも大いなる魅力になると思う。

終盤の展開はちょっと雑というか作り手にも少々疲れが出たのかな、と思わないでもないけれど、全体的に映画らしい映画を堪能できます。

役者陣の肌の色がてんでバラバラであることには、とりわけ作り手の拘りを感じた。好きです、そこも。

そうそう、テリー・ギリアムといえば『未来世紀ブラジル』の雑駁さも思い出させる。イアヌッチ監督の『スターリンの葬送狂想曲』ともども改めて見返してみたい。
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