ドラえもんは猫型ロボット

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのドラえもんは猫型ロボットのレビュー・感想・評価

4.8
「私は作家になるだけの才能がない。その現実と向き合わずに人生を失ってしまった」

ある人物のこのセリフは、一度でも創作活動に携わったことのある人なら、響くはず。
フランスのミステリ映画。
『ダヴィンチ・コード』のダン・ブラウンの逸話をモデルにしているらしい。設定から面白くないはずがない。
感想を。

本が好きな人には溜まらない内容だと思う。
物語の内容や結末に関して、あれこれと仲間内で考察し合ったり、登場人物のコスプレをしたりと、自分も学生時代に好きな作品を友人たちと熱く語り合ったことを思い出した。

そして、中盤から結末にかけての展開はぶっ飛ぶ。
 特に、「隔離された環境で、犯人は小説の内容をどうやってネットに流したのか?」
これに対しての一つ目の解法。
そして、最後に犯人が放つ、この解法に関しての所感と物語の真相。
このスムーズな流れ、まるで『ユージュアル・サスペクツ』のような騙された感。
脱帽した。

今年は『ナイブズ・アウト』といい『仮面病棟』といい、今作といい ミステリ作品が非常に豊作。
とても、嬉しい。
面白かった。