「サラバ！」で直木賞を受賞した、西加奈子の小説2作目（本屋大賞ノミネート）の映画化。
父:永瀬正敏、母:寺島しのぶ、長男:吉沢亮、次男:北村匠海、末娘:小松菜奈、飼い犬:さくら、の家族の物語。
2005年に書かれた原作を2020年に映画化したものだが、テーマは『自死』『クィアー』『軽ネグレクト』『メンタルヘルス』と妙に“今”の時世にフィットしている。
なんとも言えない…、心・気持ちの置き場をどこに持っていったらいいのか？という映画だったが、家族5人＋1匹（とそれに絡む人たち）の演技が素晴らしく、完成度としては高いと思った。
監督は「三月のライオン」の矢崎仁司さん、彼に『この小説には私の映画史がすべて入ってる。だから私以外の誰にも映画化させたくなかった。』と言わしめるほどの原作の魅力。
装丁がかなりヴィヴィッドでエキセントリックな印象の西さんの他の小説にも興味が湧きました。
