Nakanishi

わたしは光をにぎっているのNakanishiのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
3.7
結論としては、個人的にそこまで好みではありませんでした。でもいい映画です!

まずば映像について。

固定カメラと長回し多め。漂う小津感。写真的な面白さの構図も多数。映像の質が令和なのに建物は昭和。放っておいたら廃れてしまうものを映画という形で記録したような印象を受けました。
みかんを湯船にばら撒く様子やエチオピアのお店の場面などいいシーンがたくさんあり、台詞より映像で説明するシーンも多いです。

それからキャスト。

光石研は、やさしさ全開のゆるめの役もできるからこそ、ぶっきらぼうな役に説得力があります。渡辺大知はどの役でもきちんと「渡辺大知」なので新鮮さこそありませんが、しっかり役をこなしていてよかったです。

そして無視できないのが松本穂香。プロモーションビデオとも言えるぐらいに彼女の魅力がひしひしと伝わって来ます!オーラがめちゃくちゃあるわけじゃないのにきちんと存在感があります(それを含めてオーラと呼ぶのかもしれないです)。この手の役は才能が一役買ってる部分もあると思いますが、しっかり役作りをしたのだと思います。彼女の今後が楽しみです。

全体的にはいい仕上がりなんですが、ストーリーが平凡過ぎてあまり入り込めず。実際の時間よりも長く感じてしまい、個人的にはそこまで刺さりませんでした。

ドキュメンタリーの側面は特に求めていなかったので、自分勝手な期待外れをしてしまいましたが、逆に完全にドキュメンタリーとして作られていたら絶対に観ていなかったはずなので、そういう意味ではよかったのかもしれないです。

なんか惜しかったです!でもとにかくいい映画!
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