kokonama

わたしは光をにぎっているのkokonamaのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
4.0
【握りしめた光】

祖母の入院をきっかけに田舎を離れることになった澪。家族の繋がりで東京に住んでいるおじさんに仕事が決まるまで住ませてもらう。街の人々との交流を通じて、自分の中に何かを見つけていく。

4月の永い夢っぽいなあーと観ていたら、やっぱりおんなじ監督だった。風景と音楽が綺麗なんだよなあ。そこで描かれる人間の感情の機微。

スーパーのバイトをしてもどこかここが自分の居場所ではない気がする。自分のできることを少しずつしていきなさいと祖母のアドバイスを基におじさんの銭湯の仕事を手伝い始める。

おばあちゃんが好きだった山村暮鳥の詩の引用が冒頭とラストに出てくる。言葉は心で心は光なんだ。何かを見つけた気がする。だから、私はそれを握っている。

水をすくう感じ。もくもくと立ち籠める湯気。言葉は必要な時にやってくる。
kokonama

kokonama