磯野マグロ

わたしは光をにぎっているの磯野マグロのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
3.3
【松本穂香頼み】96

見なきゃいけないような気がしてずっと狙ってたのだが、やっと見られた。いままた、このタイミングでかかるということは、かなり評価されてるのかな。
とにかく松本穂香が松本穂香力を発揮しまくる映画だった。たくさんのこまった顔、無表情、不機嫌な顔、そしてほんの一瞬の笑顔。そんなもんの繰り返しで90分超の映画を見通させてしまうのだから、松本さんが偉いのは間違いない。
ストーリーは凡庸なのに、説明がないのでわかりにくい。もうちょっといろんなことの隙間を埋めるような設定とか、伏線とか、あったっていいんじゃない?説明ばっかりの映画はいやだけど、なんでそうなるのか見ててもわからなくて、きっとそういうことなんだろうなと、全力忖度を要求されるのはもっとイヤ。光石研の無駄遣いもイヤやわー。
それと、肝心の主人公の性格がどうにも。あまりのことに、途中までなんらかの精神的問題を抱えて治療のため東京にいったんだとばっかり思ってた(そうなのかもしれないし違うかもしれない。言及がない)。挨拶しない返事しないはまだしも、人を待たせてるのに急がないとか、客にものをもらっても礼を言わないとか、ある意味すごいよね。なんでここまで奇矯な、と思う。でも最後の最後に唐突なハッピー展開があって、それはそれでああよかったなあと思ってしまった。なぜ……ここまで来てもお花畑展開を待っていたお人好しなわたし。涙。
ラスト近くの商店街のみなさん映像はきっと、渡辺大知くんの作ってた映画だよね。あんまりにも唐突だし、アシスタント?の女の子に「あの映画どう思いましたか」と聞かれるような出来だったし。立石の再開発はクソだし泣きたいから、あの暗い路地を歩くようなフラフラの映像だけは好き。
磯野マグロ

磯野マグロ