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パラサイト 半地下の家族のsのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

エンタメしてるのに安部公房っぽくもあり笑い緊張ホラー悲劇カタルシスオチ全部盛りでそりゃ映画賞総なめするわという作品。

この映画には金持ちの悪者も出なければ、貧乏な聖人も出ない。金持ちは容姿端麗で心の余裕があり、貧乏人は金を得てそれを痛感するという、大衆娯楽としての映画にとっては都合の悪い現実がそのまま描かれる。少女は理由もなく年上の家庭教師に惚れ、男はかわいけりゃ誰にでも惚れる。恋愛なんてそんなもので、ことさら特別視して描くほどのものでもない。

半地下ぐらしの人間には「におい」が染み付いている。それは決してとれない、性質にも似た何か。それは匂いとして、習性として、振る舞いとしてあらわれる。

大雨は半地下暮らしの人々にとっては命の危機だが、富裕層にとっては翌日の爽やかな晴れ間の「呼び水」でしかない。まるで不況のように、持つものと持たざる者には違う景色が見えている。

ギウはすべての責任を取ると言って石を持ち、地下へ降りる。まるで張り付くようにギウから離れなかった石は、地下を覗きこんだとたん真っ逆さまに地の底まで転がり落ち、結果ギウはその石で死にかけることになる。貧民は富の石によって高みへ登り、富の石を追いかけて真っ逆さまに転落するのだ。

無計画という計画で身を滅ぼす半地下一家と、即興のパーティーを優雅に開く富裕層たち。半地下家族と地下男は互いに潰し合い、その戦火はテロルのように富裕層にも飛び火する。すべてを失ったギウは、いつか大金を持って父を救出することを計画する。