このレビューはネタバレを含みます
【貧富の差の根深さを知る】
面白い!
伏線の数々、回収の美しさ。
ドタバタだけど、分かりやすい。
この映画は、感情移入したモノ勝ちだ。特に、社会の底辺の家族に感情移入したならば、もう、これ以上にないってくらい楽しめるはず。
家族とともに、危険を味わい、緊張感と恐怖を味わい、そして、ラスト。
大逆転劇で勝利を収める。
息子が成功し、父親を迎えにいく。
なんて、痛快!
しかし、こういった感情移入が出来るのは、恐らく、同じ境遇を経験した者ではないだろうか。
そこまで底辺でなくとも、人の生活を羨み、上から見下ろされた人間。
逆に、この作品に感情移入出来ない人は、きっと、そういう経験のない人なんじゃないかなっと思う。
そういう人たちは、最後のシーンは現実ではないという。
あくまで妄想であり、夢物語、
底辺の家族は、底辺のままであり、成功しないと言う。
私は、ガツンと頭をたたかれたような気分になった。
劣等感は簡単には消えない。
臭いのように、染み付いているのかも知れない。
そういう意味でも、インパクトのある作品だと思った。
貧富の差の云々を議論するための映画でなく、貧富の差の根の深さ。
それを、見せつけられた。