皆さんがあまりにも面白いと言うし、2020年公開なのに2019年ベストに入れてる人もいてなんだか悔しかったので、1週間ほど前に観てました。
とにかく印象に残ったのは半地下の人々が住む街の描写。富裕層の住む坂上の住宅街と対になっているのはもちろんだけれど、そもそものディテールが凄い。スラム街というもの自体に馴染みすらないのに、更に僕の想像の先を行くスラム街。
存在のない子供たちのレビューでも言ったが、これが映画の世界ではなく現実であること。それが恐ろしい。
やはりその世界を印象的に映し出せるのはプロの業だ。
脚本ももちろん秀逸、僕のお気に入りの俳優 太賀との対談で「自分自身もどんな結末になるか脚本を書いていて分からなかった」っと話していた。そして、この無計画に進めていくという行為がストーリー上でも鍵となる。
行き過ぎてしまった彼らの行為は、どこまでだったら許されたのか。
そもそも許すのは誰なのか。
被害者か。国か。
被害者とは誰？
国って政府のこと？国民のこと？
終わりのない果てしない疑問が、鑑賞後、この国の街並みに現れる。
民主主義と資本主義の共存を謳っている国々の地下に彼らはいる。
