愛

パラサイト 半地下の家族の愛のネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

話は恐らくフィクションだけど、社会問題やそれぞれの家族の姿、人物の人間性は全て事実だから、起こり得ないとは言い切れないフィクションな感じ。

初めは様々な問題に触れているものの、コメディとして見れる部分が大半だが、後半は貧困格差や人間の暗い部分などの闇が表向きになり、最終的にホラーのような感じ。
カメラワークがキャスト目線な場面が多く入り込みやすい。
キャスティングが良く、役柄やキャラクター性がとてもハマっている。
ストーリー展開も意外性があって面白い。

大きな主題として二つ(三つ)の家族が意味する、富裕層、貧困層、大貧困、がある。メインである貧困層の家族が富裕層の家庭で働く事になるが、その上での生活の落差や価値観の大きな違いが顕著に描かれる。
1番印象的なのが、洪水が起きて貧民層家族の家が浸水し体育館に避難した時、富裕層家族は息子の誕生日会を呑気に開き雨のおかげで大気汚染がマシになったとか言いながらいつもと変わらず生活をしているところ。貧民層の息子がここに自分は合っているのか、と言ったり、父親が最後に富裕層の父親を殺した事からも、お互いの階級の人が交えて生活することの困難、あまりにも違いすぎる考え方の現れが分かりやすく表現されている。
さらに半地下の貧困層に加え、地下に住む大貧困層の人も現れることで、自分たちの階級の位置づけや社会における格差の再認識を示唆している。

結局どの家族も半壊で終わるわけだが、最後の貧困層の息子が家を買うことで父を救うというのを想像として描いたのは、それは夢でしかなく叶うことは無いと言うことで、現実社会でも階級社会の壁を超えることの困難の現れるだと思う。

一番の見所は家族で働いていることがバレそうになり、みんなで逃げるシーン。ハラハラするけど面白い。
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