面白かった。
テンポよく加速して(弛緩もして)、拍子抜けするほどのコメディタッチ。
完璧な狂いのリズム。
笑いと叫びはよく似ていて、喜劇と悲劇は紙一重。
経済格差も就職難も男尊女卑も有毒な男性性の苦しみも、ありふれそうな描写がありふれずに意味を見せ、シーンが影響しあい、パズルのようにピタリとハマって全体になる。
過去作で見たことあるよな構図のショットも、今作でまたドキリとするショットに。
『母なる証明』で食事と排泄が一緒になったシーンでとても感動したけど、今作も終盤のトイレのシーンで感動した。
きつい状況でも、それをしてしまう人間。
ああいうシーンがあると信頼してしまう。
建物と立地、匂いや喫煙、晴れと雨、人物を対象的に見せる道具だても見事だった。
うまい。ポン・ジュノほんとにうまい。
