この映画の感想を一言で書くと「面白かった」ではない。
「すごかった」の一言だと思う。
去年のいつだったか、ポン・ジュノ監督と是枝監督対談番組を見た。
各々の映画について質問をし、それに応える形式ですすむその番組のなかで触れられていた今作について、その番組で得た事前情報のみであとは極力前情報をいれないようにして鑑賞。（映画を見た感想のひとつとして、この映画は極力前情報を排して見に行ってほしい）
半地下というキーワードは既にタイトルに入っているので、冒頭半地下の家が出てきて、ひとり期待に胸を膨らませた。前半はある意味コメディのようでもあり、笑いを踏まえながら楽しんだ。そうして、ある夜がやってくる。その夜も家族は笑顔で話をしているが、恐らく見ている方はある種の不安を感じずにはいられない。何かが起きそうなその夜、笑顔で集う家族を見ているはずなのに、見ている側の心はざわめくのだ。
そして、そこからの展開は、一体どうなるのかという見る側の想像を超える展開を畳みかけてくる。もう、笑えない。
正直、このレビューで語りたいことはたくさんあるのだが、今後この映画を見る方のためにもやめておこうと思う。
ポン・ジュノ監督は、「おそらく、海外の観客はこの作品を100%理解することはできないだろう。この作品はあまりにも韓国的で、韓国の観客が見てようやく理解できるディティールが散りばめられている。」と語ったらしいが、海外での評価も高いということは、韓国からみた海外（もちろん日本も含む）においても相通じる何かがこの映画のなかにあるからだと思う。ポン・ジュノ監督の映画が好きなら人なら必見の一作だと思う。
