クルードス

パラサイト 半地下の家族のクルードスのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

格差社会の縮図。

序盤から中盤にかけては、金持ち家族に入り込んでいく貧困家族の姿を描く。
結果的にはどちらの家族にとってもwin-winな関係を築いている。
ここまでの展開が割と長くて、正直ちょっと冗長に感じた。

クビにされた家政婦が再登場してから、物語が大きく動き出す。

ここから元家政婦達と貧困家族の争いが始まるが、結局は少ないパイの奪い合いを貧乏人同士でして、金持ちはその争いにすら気付いてないという構図。
そしてその争いにすら負けたものは、半地下ですら無い、更にもっと奥深い地下へ行く事になる。
そんな地下でも、金持ち社長への忠誠を誓っている姿はあまりに痛々しい。

その後、貧困家族は災害に遭ってそれどころじゃないのに、金持ち家族の息子の誕生日パーティーに駆り出される。

金持ち家族に悪意は無く、今まで通り振る舞ってるだけなのに突然感じが悪く見えるように反転する流れはお見事。

金持ちを満足させるためにどんな時も貧乏人を金で縛る。
そして貧乏人に何かあっても、金持ちは誰も助けてくれない。

まさかの理由で金持ちへ一撃を食らわせたのは、唯一ファンタジーとも言える展開だった。
しかしそこはさすがというか、一撃を食らわせた父親を助け出したくても経済的に間違いなく助け出せないであろうという現実も最後に叩きつける。

終盤の怒濤の展開は見応えがあり、観ている時は感情的に揺さぶられた。
しかしネタバレについては、もちろん展開を知らない方が楽しめるが、そこまで神経質になる程かな?