JUN

パラサイト 半地下の家族のJUNのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.9
前評判通りの、すごい作品でした。

もう皆さんおっしゃってるのですが、すごく"ジョーカー的"な映画。
日常に潜む"無意識"の差別や言葉の暴力が、どんどんどんどん蓄積されて、それが限界まできた時、人はどうするのか。

同じ時期にそういう潜在的な悪を描いた作品が存在し、それが多くの人に支持を受けているということに、すごく意味を感じます。圧倒的善と圧倒的悪の対立ではなく、曖昧に確立された善と悪が同時に存在していて。きっと私たちの生活はそういうもので、あらゆる主張が昔よりよっぽど表面化する現代だからこそ、それを等身大に描くこういう作品が人々に響くのだろうなと思いました。

裕福な家族と、そうではない家族。"半地下の家族"は上をみて、"地上の家族"は下をみない。この構図って、貧富の差もそうですが、たとえば会社や学校のような小さなコミュニティにも確かに存在するものだと思うんです。立場が上の人ほど下をみないで、自分たちの世界だけにあやかって。下の人はそんな人たちを見ながら自分と比較して苦しむ。その両者が交わらなければなにも起こらないのかもしれないけど、二つが存在するから一つのコミュニティになるのであって、だからこそ、下を見ることができる上の人は素晴らしいのだと思います。

この作品は役者の皆さんも素晴らしいし、コミカルなタッチで描かれる残酷な物語が、とにかくすごい。ネタバレ厳禁は伊達ではありません。