このレビューはネタバレを含みます
ポン・ジュノ監督特有のジャンル分け不可能映画。
計画的に潜入する家族スパイ物のように軽快に始まり、あっと驚く展開。ミステリー、ホラー、家族物語、社会風刺と目まぐるしく変化していく。そして、どのジャンル場面でもハイクオリティ。信じられない。
上下、高低、貧富などの対立構造が映画の隅々まで張り巡らされている。
ラスト、ほんの僅かでも希望を持ちたい。彼の計画は(たとえ何年間かかっても)うまくいく、と思いたい。
●良かった点
全ての構成、構図に意味がある。深読みも可能だけれど、エンターテイメント作品としても楽しめる。ストーリー、緩急のつけ方が抜群で、心が常に揺さぶられる。シリアスシーンのギャグ。コメディシーンのシリアスなセリフ。
ソン・ガンホの演技。表情の変化に震える。
●悪かった点
バイオレンスシーンには少し驚き。韓国映画には結構あるので、事前に心の準備をしておけばOK。
しばらくはこの映画の事で頭が一杯になる。