Aoi

パラサイト 半地下の家族のAoiのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2020年初映画館2本立ての2本目。

半地下に住む貧困層の家族が高級住宅地の一家に寄生し乗っ取っていく悲喜劇。

一度乗ったら降りれないジェットコースターのようで、前半はまだ笑って見ていられるけど、後半は椅子に張り付いて硬直し変な汗をかいていた。






↓以下ネタバレ含む感想↓






ネタバレ厳禁と言われると展開を予想したくなってしまうのが人間の性である。かく云う私も次に何が起こるか予想しながら見た。

初っ端から出てくる山水景石は絶対何かに使われるんだろうなと思った。
石に盗聴器かなんか仕込んであってお兄さんの友達が何か企んでいると思った。ハズレ笑
はめた元運転手がグレて小便してる男で家族がグルだと気づき弱みを握られる説もハズレ笑
脚本家にはなれなさそうだ…


半地下よりさらに下位の地下に、既に寄生している家族がいるのは驚きだった。種明かしされれば割と想定内の設定だけど、それが分かるシーンとその後の怒涛の展開が衝撃過ぎて掻き消された感じはする。

やはりあの大雨の1日の静と動、緩と急のギャップが凄まじくてずっと目が離せなかった。

そして来たる翌日の誕生日パーティーの悲劇。と言っても寄生家族の復讐やカタルシスと呼ぶには少し弱くて、頭のおかしくなった引きこもりの無差別殺人と、普段は温厚な人間がついカッとなって起こした殺人事件のような収まりになってしまった。
社長も恨まれるには中途半端な悪、むしろただの嫌な金持ちだ。結局どの家族も犠牲者が出て、何でこんなことに…でくくられる事件のようだ。

父がまだあの家にいることを息子が確信し、お金持ちになって家を買うんだ…という未来予想図。ラストは息子がそれを父親に伝えようとしているところで終わる。けどどうやって?

地下からのし上がってきた奴が地上を制覇する恐怖を描いた『アス』でもないし、事実か妄想かどうか分からない『ジョーカー』方式の結末にしては現実的だ。
結局、今の社会は半地下から上を目指すにはお金稼ぐしかないと伝えたいのか?
色々疑問が残りあまり腑に落ちない終わり方だった。

家の窓から見える景色、体に染み付いた臭い、床を這いつくばるゴキブリ、汚水でずぶぬれになる地下。格差社会を表現するメタファーは絶妙だった。
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