ぴよ

パラサイト 半地下の家族のぴよのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

記録

新年早々映画館で観て良かったと思った作品。個人的に好きなのがギウとギジョン。ギウは所々抜けてるし、家庭教師任される時結構遠回しにバカにされてるのに全然気付かないところあったから、ちょっとアホなのかなと序盤では思った。でも口のうまさ、なんかすらすらと尊大なことをペラペラと紡ぎ出すのは天下一品。
一番頭の回転が速い(というか悪知恵が働く)のはギジョンだな〜〜。本当に強い図太い、お金のためなら何がなんでもするその精神がめっちゃ透徹してたので惚れ惚れした。

「匂い」というのがパラサイトではキーワードとなると思うのだが、半地下の住人は「匂い」を纏っていた。それは切り干し大根の匂いだし、地下鉄の乗客の匂いだし、人いきれの匂いだし、どうしても俗的なものを含んでしまう肌に染み込んだ匂いだった。それは簡単には取れないし、肌に染み込んでしまったものはいくら何か香水とか柔軟剤で纏ってもそれに混じって漂ってしまう。同じようにあのパク社長を殺した男も家政婦も同じような「匂い」を持つ同じ世界の住人だった。「匂い」の元では、元家政婦の夫婦も半地下の家族も同じ世界の住人だった。
パク社長は、多分4年間もシェルターにいたあの男の不潔な匂いと血の混じり合った匂いに耐えられないから鼻を摘んだんだろう。その行動は男に向けてだったけど、キム運転手は「匂い」を持つ者全てに向けられたんだなと感じて、衝動的に刺したんだな〜と感じた。
パク社長の家族には「匂い」の描写はほとんどなかったけど、俗的なものに一切触れていない世界の住民だから描かれる必要が無かったんだなあと。
「匂い」=俗という公式がありありと格差を描いていた気がする。

もう一つ追記すると、特に好きな関係はギウとダヘの関係性。俗的なものの世界に住むギウとそれとは無縁のダヘ。ギウは打算的にダヘに近づいたけどいつの間にか2人とも好きになってる。断絶され、結びつかない俗とそうでないものは結びつかないはずなのに、結びついた。それを象徴してたのがダヘがギウをおんぶするシーンだったのかな。絶対ありえないし、2人は2度と会えないかもしれないけど、将来会って欲しいと思ってしまった。

結末はギウの理想で終わるけど、これは理想で終わってしまうのか、それともそうじゃ無いのか。どっちなんだろうな。
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