めんま

パラサイト 半地下の家族のめんまのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
5.0
非常に興味深い作品でした。韓国映画の真骨頂を見られたと思う。アカデミー賞ノミネートも納得でした。

昨年から今年に日本で公開されている、今作"パラサイト" "家族を想うとき" "ジョーカー" などは、全て経済格差を問題視している。それも、本人達の努力なども関係ないわけではないけれど、どれも救いようがない。かつ、それがイギリス、アメリカ、韓国共通認識なのだから。今のトレンドなのだろう。もちろん日本でも同様だ。数年前の、"万引き家族"が良くあらわしている。

私も決して裕福な家庭に生まれたわけではなく、他人事には思えず。

経済的に問題を抱えると、良くない方向に考えがちになるのが人間なのが悲しい。それはどの作品にも共通している。もちろん今作もだ。時に犯罪に走り、時に悪知恵に走り、まともな思考回路にならないことがある。

本人達の問題だと片付けるには、少々言葉が荒いと感じます。そりゃ経済的活動の努力は必要ですが、救いのない仕組みになんとかならないかと、願います。

これらの映画は、問題提起として、良く出来てるなと思います。リアリティがあり、庶民的な自分と何が違うのだろうか。一部の富裕層をのぞいて、見下せる人などいるのでしょうか。

今作パラサイトは、個人的に好みの韓国映画の心理描写がより繊細で手にとるようにわかるのが抜群でした。
観客へ十分な説明がなくとも状況を理解するのに映像の使い方が的確だったこと、更に韓国映画が得意の緊迫感を出すことにおいて、素晴らしいものがありました。釘付けにされる、という形容されるに相応しい良作でした。

まさかのそこでそれかよ!!的なのもあり、やられました。内容でも圧倒されました。

ソンガンホ、タクシードライバーで知りましたが、演技抜群でした。彼は良すぎるでしょう。
こういう役が合っている。

監督、母なる証明の監督なんですね。あの作品も見た時衝撃を受けました。この監督は、着眼点が素晴らしすぎませんか。他の作品も観たいですね。是非評価を高めて欲しい。そして良い作品をまた期待したい。

ジョーカー、アイリッシュマンなど競合してるからアカデミー賞作品賞は難しいかもしれませんが、国際長編映画賞はさすがに取るでしょうが、監督賞は取ってほしいですね。

韓国映画は優秀な作品が多く、やめられませんね。本当に今作は改めて最高でした。
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