パラサイト 半地下の家族のnatalieのネタバレレビュー・内容・結末

半地下家族が”寄生”するまでの中盤までは、予想通り&コミカルに話が進んでいくが、元家政婦の素性と隠された事実が明らかになってから、怒涛のように話が急展開していく。

映像の切り取り方が印象的。高所得世帯と半地下家族の間にある落差、格差を各所で映像からも認識させる。優雅に情事にふける夫婦と机下でじっと耐える家族。始めはコミカルにも思えるが、次第に惨めさと残酷さに心が痛くなる。

終盤の浸水していく半地下の映像は、トランジションの映像が印象的で、沈んで溺れていく家族の行先を暗示するようでもあった。

完璧な計画とは無計画である、と話す父の横で、重たい石を腹に抱える息子。

次々と連鎖のように人が刺されていくシーンには思わず目を逸らしてしまった。グロテスクで、どうしようもない苦しみと、積もったやり場のない怒りが溢れていた。

ラストは現実が現実であり、安易なハッピーエンドではないことを突きつけるいい終わり方だと思った。映画のように、夢物語だはないんだと。