しゆ

パラサイト 半地下の家族のしゆのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

韓国映画は新感染から興味が湧いてたけど正直ここまで面白いとは思わなかった。資本主義から生まれる格差など監督からのメッセージはたくさんあると考えられるけど、それら抜きにしても単純にシナリオが面白い。無駄のないテンポの良さとコミカルとスリルの絶妙なバランス。日常の中の非日常感。二転三転する怒濤の展開。
心の底ではお金持ちの家族がどんどん不幸になっていくのに快感を覚えてしまう的な意見もあったけどそれはよく分からなかった。パク家は落ち度ないのに標的にされて率直にかわいそう。あとギウとダへがくっつくのが唐突でちょっとびっくり。
ラストはギウが「僕が将来この家を買って父さんを迎えに行きます」って暗転して希望を持たせたエンドロール…かと思いきや、画面が徐々に明るくなりそれが実現した未来ではない事が分かった瞬間の絶望感が最高。しかもそれはお父さん(ギテク=ソン・ガンホ)の「最高の計画は無計画だ。計画しても必ず予定外のことが起こる」という忠告から抜け出せていないことの暗喩になっていてこれまた余韻の残し方が非常に上手い。
他の人のレビューや考察を見ると気づかなかった伏線や風刺に納得できて何度も味わいたくなる一本でした。
昨今評価される作品には『ジョーカー』や『万引き家族』など貧困層や世の中の不条理を題材にして社会に訴えかける作風が多い傾向にあるため、本作もアカデミー賞が好みそうなテーマだなとも感じた。(その後実際作品賞を含む最多4部門を受賞してた)
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