このレビューはネタバレを含みます
ブラックコメディ。北へのブラックジョークが過激でちょっと笑った。同時に、「富裕層」と「貧困」の格差に鋭く切り込んだ作品。
巧みにお金持ちの奥様を騙して家を取り込んでいく様は見ていて愉快ですらあったが、いつかバレるのでは、というヒヤヒヤも常にあった。
いくら文書や学歴職歴を偽っても匂いやふとした時の仕草に「育ち」は出てしまうものだし。
登場人物のように、勉強ができたり器用だったり、特技等はあるのに上手く暮らせない人達は前職で沢山見てきてから、デジャブを感じたりもした。
上手く生きれる人とそうでない人。その違いってなんなんだろう。運だったり、生きることへの器用さだったりするのだろうか。
それとも生まれた環境だろうか。
「環境なんて変えられる」「人生は自分で切り開くもの」だと教え諭す映画も本もそこらじゅうにあるけれど、努力じゃどうしようもない差があるってことを容赦なく叩きつけられた気分。いい映画だと思う。
ラストシーン、セリフは前向きなのに、今まで見せられた圧倒的貧富の「差」を感じて悲しくなった。
「計画は計画するから失敗する。最初から計画がなければ崩れることも無い」
このセリフはとても響いた。お気に入り。
最後に、誰も触れてないけどミュヘンが海外から帰ってきた時の反応が見たい。
