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パラサイト 半地下の家族のrikoのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画全体を通して人間の醜さが前面に出てた気がする。
酔っ払いが水をぶっかけてるところを洪水じゃんって笑って動画撮ってた妹とか自分の家が洪水被害にあってしまったときの家族たち、昨日はすごい雨でしたね〜今日は息子のためにサプライズパーティーをしましょうか〜いう金持ちの家。みんな立場が違えば何かに対する視点も変わる。当たり前だけどここまで詰め込まれると再確認させられる内容だった。
あと、自分と相手を比べた結果の優劣で相手に対する態度がコロコロ変わっていく部分を見ると、なかなかしんどいなあって思った。自分が弱い立場だったら懇願するくせになんでそんな慈悲のカケラもないんだ?となったな。自分が一番大事ってことかな。
話のテンポも良くて映画自体は2時間越えだったけどあっという間。
最後、まさかのハッピーエンド?と思いきや、まあそううまくはいかないよねというかんじ。幸せな未来の妄想はタダだもんね。もちろん妄想通りになる可能性はゼロではないけれども、普通に考えるとこの社会ではそれだけお金持ちになることは非現実的なことであって、その妄想が余計に今の苦しい現実を突きつけてきたようで見ててしんどかったな。
あと半地下の匂いが染み付いてるっていうのが、どんなに取り繕って金持ち家族たちと過ごしていてもただ仮面を被っただけで同じ階級の人間ではないって言ってるみたいで、苦しかったな。
幸せってなんだろうね、貧しくてもたしかに幸せな時はあるのに、それ以上のものを見てしまうともう自分たちの幸せなんかって思って耐えられないんだろうな。自分以下の人間たちを見て安心してしまったり、人間の嫌なところもたくさん詰まった作品だった。
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