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パラサイト 半地下の家族のzushiのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ミーハーなので今さらながら観てきました。

コメディ調の前半とは打って変わって、後半の展開は衝撃的でした。
特に終盤、地下の男がパーティーをぶち壊すシーンは鳥肌ものでした、、、
グロ、ホラーに耐性がなさすぎるので顔をしかめっぱなしでした。笑

今作は人間の汚く恐ろしい部分がリアルに描かれていて、今までに味わったことのない怖さを感じました。
大きい音でびっくりさせてくる映画は苦手ですが、こういう、ジワジワと怖さを感じる映画は好きかもしれないです。
敬遠してないで他のホラー映画も観てみようかな、、、


終盤の展開に完全に気持ちが持って行かれてしまいましたが、前半の展開もめちゃくちゃ面白かったし、登場人物もみんないいキャラしてましたね。

主人公の兄妹は謎に詐欺が上手すぎるし、それをベタ褒めするお父さんにはなんだかほっこりしました(ゴリゴリの犯罪なのでダメですけどね)。
このへんは「万引き家族」にも近いものを感じました。
そしてまんまとそれに引っかかる母娘の純粋っぷりもなんだか憎めなくて良かったです。
まさにヤング・アンド・シンプルでしたね。

結末を知った上で前半を思い出すと切なくなるなぁ、、、


何はともあれ、1本の映画でこんなにも上下に感情を揺さぶられたのは初めてでした。
そらアカデミー賞獲るわな!(何様)


【追記】
浅はかだった!!!

観た直後は「前半のコメディおもしろ!後半のホラーこわ!格差ってやばいね!」ぐらいの感想しか抱けませんでしたが、他の方々の考察を読んで考えが変わりました。

この映画は、ただ単に格差社会を風刺しているのではなく、「安分知足」というメッセージを伝えたかったのですね。
この四字熟語の意味は「高望みをせず、自分の境遇に満足すること」であり、主人公たちの半地下ハウスにはこの格言が書かれた額が飾られていたようです。

幸せそうに食卓を囲んでいたかつての半地下家族はまさに「安分知足」できていましたが、金持ち家族にパラサイトするようになって上を知り、欲が出てしまいました。
格差自体が問題なのではなく、格差が可視化されたことにより、不必要な劣等感を感じて、そこにあるはずの幸せを感じられないことに問題があるのです。
それは必ずしも金持ち家族へのパラサイトをせずとも、インターネットが発達した現代では、誰しも自然に抱いてしまう感情なのかもしれません。


めちゃくちゃ考えさせられました。
こんなにも深いメッセージが込められていたとは、、、
改めて凄まじい映画だなと思いました。
そらアカデミー賞獲るわな!(何様)
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