富豪と貧困の、相容れない存在であることや決して埋まることのない様子を表現するのに「匂い」を挙げるのがめちゃくちゃ納得できた。
そして見てる私もとにかく画面から匂いがする。
これはセットが素晴らしいし、演者の演技も素晴らしいから。
同じ空間にいたわけでも、もちろん4DXを見たわけでもないけれど。
富豪家族が「彼ら(半地下家族)は仕事は悪くないけど独特の匂いがする」と言う。
弟君から始まり、父、そして母も。
匂いは慣れることができる、それが好ましいものでもそうでなくても。
でもその匂いに常に気付いてしまったら、決して受け入れられない、という事なんだろう。
貧富の格差を埋める解は作品内に一切メッセージにはなく、ただ問いかけるのみ。
ただ、「格差を埋めるにはどうするべきか」を問われた時、きっと人はそんなに真剣に考えない。私も。「真心を持って〜」みたいな誰でもその場で思いつくような事を言ってしまう。
何故なら私は貧しいとは何か、裕福とは何かを日常の中で気にせず、自分の環境に慣れてしまっているから。
でも「匂い」がこの映画を見て想像できた時、初めて目の前の貧富の格差を感じたような気がした。
ストーリー的には全員救われないで欲しかったです。まぁ救われてないかな…？最後笑って欲しかった。
