みどり

パラサイト 半地下の家族のみどりのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2020/6/2
テアトルサンク
テアトル4

受け止められるかが不安で見るタイミングがわからず、こんなに遅くなってしまった。
実際見終わって思ったのはこわい、よりも悲しい気持ち…。

前半はエンタメっぽいが、後半はまったく違う。先の展開が読めない分おそろしい。
半地下の家族が裕福な家族に寄生して自分の居場所にしていく話かと思いきや、半地下の下、自分たちよりも下の地下の家族がいたこと。その家族達と出会うことによって事態は最悪なことに。

たらればだけど、地下の夫婦とうまく話し合いできていたら、未来は変わっていたのかもと思ってしまう。

地下の夫婦だって、半地下の家族だって夢ややりたいことがあっても、高台に住むパク一家のようにはなれない。
それを見せつけられたようで、いくら完璧に振る舞おうとも臭いは消せないのもまたつらくなってしまった。

洪水で半地下家族の家がめちゃくちゃになり、いろいろな気持ちを抱えながら体育館で一夜を過ごした翌日、パク一家に行くことになるが、パク家は地下のことを知らない、知ろうとしないのか、なにもなかったかのように普通にしている。
ダソンのおもちゃのテントでも雨は防げるのに半地下ではそれさえも防げない対比がまたもや悲しい気持ちにさせる。
家が大変なことになっているのに、裕福な家族の家では誕生日パーティー。サプライズが豊富。それにくさい、きたないものにさわるような素振り、ひとつひとつが、確実に地下家族の心をすり減らしていただろうなあ。普段は温厚な父ギテクがギウ、ギジョンを見たことや、においのこと、いろんなことが蓄積されてああいう行動をとってしまったのかと思うと胸が痛い。
だからといってどっちが悪でどっちが正義なのかといわれればどちらも悪くはなく、誰も悪くはないけれど、知ろうとしなかった、そのことが原因なのではないかと。

何気なく見ていたけれど、半地下家族は階段を降りていくばかり、裕福な家族は階段を上っていくシーンしかないと聞いて、もう一度確認しなくては、と思いますが、まだ2回目行く気力がないです…。

ギウが友人からもらった石、ダソンの絵、家政婦は2人分食べる、たくさんの伏線が散りばめられていて恐るべし。
韓国だからこそ、作れた話だと思う。これ日本ではできないよね…。


これを見てからというもの、階段を上って下りたりすること、目がぎょろっとしている人がほんとうにこわくてトラウマになりました…
みどり

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