Hoshi

パラサイト 半地下の家族のHoshiのネタバレレビュー・内容・結末

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

観られて良かったと思った映画でした。
でも同時に、2度と観たくない映画でもあります。単純な嫌悪感とかではなくて、厳しい…
繰り返し観る映画というよりは、一度の味の強烈さで心に残っていく映画。


タイトルだけの判断で、万引き家族韓国版と思うなかれという感じ(自分は思っていた)。
もっともっとダイレクトで激しくて。いや、万引き家族まだ観てないけどね(笑)

わたしには、もはやホラーでした。
いや、自分ちに知らんやつ住んでるってのが普通にホラーで、明日からどう1人で過ごせばいいのか…


でもホラーなのはそこだけではなくて、悪者が誰もいないのに、どこからか何かが狂っていくこの怖さ。

金持ち家族だって何かしたわけじゃない。彼らは彼らで彼らの生活をしているだけ。なのに道楽っぷりが嫌味に見えてくる。
半地下の家族も地下の家族も己の甘さは否めない。でも家族の絆をすごく大切にしてる。生活に不満を言いながらも、それを共有して力合わせている。

なのに、どこから狂ってしまうのか。

昔、仲良くなった友人の、新宿にある実家にお泊りに行かせてもらった。その時に、人生で初めて「あ、人って、もともとのあるモノで人生こんなに違うんだ」ってふと感じてしまったことを思い出した。
うちは金持ちではないけど貧乏ではない。でも生まれた時点でなんか品とか目にするものとか、いろんな機会や選択の幅が自然と変わるのかと感じたことがあった。その家族が気取っていたわけでもない。うちが貧相なのでもない。ただ、そこに「違い」があるのだ。(あと、多分その当時私が欲しかったモノをその家族が持っていたというただそれだけ。)

それから、お金持ちは不自由せずに生きてこれてるから擦れてなくて素直でいい人、という分析。もちろん極端な意見なんだけど、わたしも思ったことあった。

そう思う人たちは卑屈なのか。羨望なのか。淡々と事実を言っているだけなのか。

そんなことを思い出したり考えたりしていた。


最初はすごくギャグで、アカデミーというからシリアスと思ってたけど想像と違ったなーと思っていた。あんな風に北朝鮮ギャグにできるの世界で韓国だけだよ…汗とか(笑)

でも、
あ、もう笑えない。ってなる劇的な転換。

半地下の上をいく地下の住人。
でもその言葉で何かが刺さる。
社長の何気ない発言からお父さんの何かが狂いだす。
金持ちの道楽と自分たちの現実から、自分たちが何かに気づき出してるが、それを整理できない。


クリアなメッセージがあるわけではなくて、やっぱりどこかエンタメで最後ももう一段ズドンといかせるけど、なんか他人事には思えない怖さ。すごかった。