パラサイト 半地下の家族の作品情報・感想・評価

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パラサイト 半地下の家族2019年製作の映画)

기생충/Parasite

上映日:2020年01月10日

製作国:

上映時間:132分

ジャンル:

あらすじ

「パラサイト 半地下の家族」に投稿された感想・評価

クワン

クワンの感想・評価

4.6
みんな仲良く豊かな人生を送りたい。
昔はそうできると思っていた。
頑張れば何とかなるって、信じていた。

こんな映画は見たことがない。途轍もない映画で心底ゾクゾクした。大笑いさせられた次の瞬間、ゾッとして背筋が凍りつく。その繰り返しがたまらなく快感で今も尚、その感覚が身体に沁みついて離れない。

面白すぎて、のめり込んで、気がつくと、この映画は現実を凌駕し、侵食し、変容してしまうくらいの力がある。

そんな映画に出会えた幸せに震える。
やっぱり映画って凄い。それ以上に恐ろしい。

ポン・ジュノ監督はおぞましい程の完璧主義者だ。脚本、映像、音響、演技が緻密に計算されて、どのシーン、どのカットにもずっと不協和音に晒される。映画としての隙のない完成度は見た者を圧倒し、疲弊させる。でも高揚感は収まらない。今晩22時頃にアカデミー賞ノミネート発表されるが、これから更にこの映画の凄みを世界中が目撃することとなるでしょう。

低所得家族の半地下のアパート。富裕層の超高級住宅。ほぼこの2つを舞台に逃げ場は一切ない。

特に大雨が高級住宅街の山の手から、貧困極まる半地下へ雪崩のように襲い、流れ落ちるシーンは圧巻。

そして、どのキャストも完璧だ。ソン・ガンホは期待通り素晴らしいがその子どもたちが凄い。ギウとギジョン、自分たちの無垢な企みが予想だにしない展開を巻き起こしていく。特に妹のギジョン(ジェシカ)は最高の存在感。彼女が便器の上で煙草を燻らすシーンの映画的美しさ。彼らはずるくしたたかで逞しく、しかも哀しい。

彼らに侵食される富裕家族の奥様役のチョ・ヨンギョは、以前からゾッとする程美しい女優さんだなと思っていたが、絶品の美貌と悪意なき邪心、天然の愚かさとエロスを醸しつつ、コメディエンヌ才能を見せつけて目が離せない。今、韓国で主演女優賞レースを席巻しているのも納得だ。ちなみに彼女は主演作「後宮の秘密」で高貴で美しい濡れ場を披露している。男性陣はこっそり鑑賞いたしましょう 笑

富裕IT社長とソンガンホが対峙する。一線は越えるな、の言葉と臭いのモチーフが観るものを抉っていく。

きっと単なる鑑賞ではなく初めて味わう体験をすることになるだろう。

そして、この映画は劇場を出ても終わらない。

はい、これは私たちの現実でもあるのです。

映画では終わらせてくれないのです。

あの半地下よりはだいぶまし。
あんな金持ちにはなりたくない。

と、他人事として突き放すことはできないのです。

今、気軽に堂々と高校や大学の同窓会に行ける人、何割くらいいるのでしょうか?

水面下では、同じクラスだった友人が5倍から下手すると10倍以上の年収差があったりします。誰も口には出しませんが。

また子どもが私大に行ったら、1人1000万前後かかります。中高いれれば遥かに超えます。

どの家庭でも易々と行ける時代でしょうか。

韓国では所得の上位2割の世帯月収が約90万円で下位20%は平均13万円と言われてますが日本も近くなりつつあります。

会社の同僚で仲いい韓国人がいて、彼は韓国有数の電荷メーカーの会長の息子なのにアニメが好き過ぎて親の仕事継がず日本でゲームクリエイターして過酷な労働条件と低賃金に疲れ果て転職してきました。親に勘当され日本に来て10年一銭も支援受けず月4万の郊外アパートに住み、稼ぎの全てをアニメに費やす極端さ。でも、正直、部署で一番仕事できてハングリー精神もハンパない。

そんな彼は日本のクリエイティブ産業ヤバイねっ、て、驚愕したそうです😭

英国や韓国のように階級、格差社会がはっきり示されているよりも、日本の方が同調意識に目を逸されながらも、敢えて心に押し殺し、いつしか内面に諦めとなって魂を蝕み、現実に立ち向かう生きるエネルギーが気づかぬまま失われていく可能性があります。

昔を思い出せば、私は平均年収1500万の企業から内定後に脱走したり、どうしても叶えたい夢の為に、子供が生まれてすぐに学生に戻ったり、かなり無謀な選択をしてきました。※内定逃亡エピソードは「バタフライ・エフェクト」レビューに書いてます。

学生に戻った頃、女友達からは「私だったら速攻離婚届出すわね」とよく言われました 笑 新婚当時住んでいた新築マンションを引き払い、古びたアパートに引っ越して長男が初めて立ったのはハゲかけた畳の上でした。だから妻には一生頭が上がりません。

何とかなると思っていたことが、全く何ともならない。そんな当たり前の現実すら当時は見えませんでした。

幸運にも様々な縁に恵まれて、幸せな今を過ごしていますが、あ、このライン越えたらほんと戻ってこれないんだ、、と底が抜ける感覚に陥ったことは今も忘れることはありません。

今の時代はあの頃よりそのラインが近くなっている気がします。

厳然と日本に拡がる格差の現実はもの凄いスピードで加速してます。

その現実を100%認めた時、初めてヒリヒリするような本当の人生を生き始めることができると思います。

果たして2020年冒頭から強烈に心に棲みつてしまったこの寄生から放たれることはできるのだろうか。いや、目を背けることができても、きっと逃れることはできない。ならば抱えながら生きていこう。

こんなにも根源的な生命力を高めてくれる映画は3500本以上観てきて他に無かった。

ポン・ジュノ監督、同時代にいてくれてありがとう。

なぜだろうか。

今、私はとてつもなく人生に対する希望と意欲に満ちている。
想像がつかない展開だった。終始目が離せない作品。素晴らしい
YUDAI

YUDAIの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

体臭の悪口はキツい

ジャージャーラーメンうまそう
犬用のジャーキーにめっちゃピント合ってた
yui

yuiの感想・評価

4.7
読まずにいた監督のインタビュー読むの楽しみ
sae

saeの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

大雨の中、ひたすら階段を下るシーンを観て、巧いなぁと思った。
それから、"匂い"の使い方も。格差の象徴というか、観る側の想像力を掻き立てる不思議な力を持ってた。

世界の、普段光の当たらない部分に光を当てて、笑える表現も織り交ぜながら、ガッツリ社会の抱える闇を闇のまま描いていて、ラストシーンも含めて、純粋に凄い作品だなと思った。
ゆっか

ゆっかの感想・評価

2.6

このレビューはネタバレを含みます

韓国の貧困家庭の日常をコミカルに描いている前半とは裏腹にどんどん物語が(言うなれば)ジェットコースターのようにどん底に落ちていき、最後には・・・。私は社会派の映画かと思って見始めてしまったので展開が読めず(それこそこの映画の秀逸さであると思うのだが)とても見心地は悪かった。まだ消化し切れていないが、、なんだろうグロテスクでそこだけ印象に残ってしまった.....
梨

梨の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞取ったので見てみた。貧しい人と豊かな人の間でこんなにも物事の視点が違うのか、と思った。
話のテンポも良くて映画自体は2時間越えだったけどあっという間だった。
最後、まさかのハッピーエンド?と思いきや、まあそううまくはいかないよね。幸せな未来の妄想はタダだもんね。もちろん妄想通りになる可能性はゼロではないけれども、普通に考えるとこの社会ではそれだけお金持ちになることは非現実的なことであって、その妄想が余計に今の苦しい現実を突きつけてきたようで見ててしんどかったな。
あと半地下の匂いが染み付いてるっていうのが、どんなに取り繕って金持ち家族たちと過ごしていてもただ仮面を被っただけで同じ階級の人間ではないって言ってるみたいで、苦しかった。
幸せってなんだろうね、貧しくてもたしかに幸せな時はあるのに、それ以上のものを見てしまうともう自分たちの幸せなんかって思って耐えられないんだろうな。自分以下の人間たちを見て安心してしまったり、人間の嫌なところもたくさん詰まった作品だった。
無駄なシーンが少なくて時間が短く感じました。
夜中に訪ねてくる家政婦の演技が1番怖かったです。桃食べたい
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